昨今中小企業の間では、子供が事業の跡を継がなかったり、適任の後継者がいないなど問題を抱えます。

経営者としては、頭を悩ますところですね。


ところが、会社そのものを売却して、事業を継続するケースが増えています。

これは、適任の後継者がいない場合の一つの解決方策と言えましょう。


子供が事業を継がない場合、相続が発生してから株式でもって相続させるよりも、オーナー自身が元気なうちに、会社を売却して、現金化してから相続させるやり方です。


その方が、後々の遺産分割でもめる心配も、なくなるというメリットがあります。

相続人にとっても、その方が事業を継ぐという心理的負担から開放されます。

加えて自由に、自分の選んだ道を歩めるということもありましょう。


同族会社や自営業の事業承継は、もともと遺産分割との絡みで、相続争いが起きやすい問題でもあります。


今日、このような事業承継の意識の変化で、相続の解決方法の選択肢が広がったとも言えます。

これも、現代の相続を取り巻く背景の一つでありましょう。


     行政書士  平 野 達 夫