遺言によってできる事項、すなわち、「遺言事項」については、法律に規定されています。


例えば、相続分の指定、遺産分割方法の指定、遺言執行者の指定、相続人の廃除などです。


一方、「付言事項」というのがあります。

これは、特に法的な拘束力はありません。

遺言者の人生最後の意思表示として、希望する事項を遺言書で付言するものです。


例えば、長男の妻や孫達へ、自分の最後を看守ってくれたことに、感謝の気持を伝えます。

或いは、相続人間で争うことは、止めて欲しい。

自分の死後も、仲良く暮らして欲しい。


このような遺言者の気持を後の相続人に残し置きすることは、ごく自然に考えられてきましょう。


近年では、献体、角膜移植・肝臓移植など、臓器提供の意思を付言することも、見受けられるようになりまいた。


このような事項が、遺言者の最後の意思表示として、遺言書の中に付言されます。


なお、公正証書遺言以外の遺言書、すなわち、「自筆証書遺言書」や「秘密証書遺言書」などについては、その形式的な状態を確認し、偽造変造を防止するためのものとして、「検認」の手続が必要となります。


ただ、この検認は、遺言の有効・無効を決定するものではありません。

この検認の申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となります。


     行政書士  平 野 達 夫