遺言の特別の場合の方式として、「危急時遺言」があります。


危急時遺言は、[臨終遺言]とも言われます。

疾病などの事由から、死亡状況が危急に迫っている者が、遺言する場合です。


これには、証人3名以上が立会い、その1名に遺言者が、遺言の趣旨を口授します。

それを、証人が筆記します。

そして証人が、その内容を遺言者や他の証人に読み聞かせます。


各証人が、その筆記が正確であることを認めた上で、各証人が署名、押印することにより成立します。


遺言者自身の署名、押印は不要です。

また、日付の記載も要求されていません。


遺言の日から20日以内に、証人の1名又は利害関係人が、家庭裁判所に遺言書を提出してその確認を請求します。

家庭裁判所の確認を得なければ、遺言の効力は生じません。


なお、危急時遺言書の証人の資格については、民法第974条の規定を準用しますが、証人が互いに親族関係にあっても差し支えないとしています。


また、遺言書の筆記は、ワープロなどの使用は可としています。

証人の署名は、代筆は許されません。


   行政書士  平 野 達 夫