本人が任意後見人に委任する事務の内容は、自己の生活、療養看護及び財産管理に関する事務の全部または一部であります。
これは、任意後見人に代理権を付与する委任契約です。
即ち、その委任事務の対象は、生活、療養看護及び財産管理に関する法律行為でありす。
また現実の介護などの事実行為は、含まれません。
財産管理に関する法律行為の例としては、預金の管理、不動産その他重要な財産の売買・処分、遺産分割などです。
また生活、療養看護に関する法律行為としては、介護契約、施設入所契約、医療契約などがあげられます。
「任意後見契約」は、「公正証書」で作成しなければなりません。
公証人が作成することにより、本人の意思や任意後見人の権限と義務を明確にし、信頼性を持たせるとともに、権限乱用を防止するためでもありましょう。
任意後見契約の公正証書には、「任意後見監督人」が選任された時から、契約の効力が生じる旨の条項が記載されていることが必要です。
先ずは、支援の内容が決まったら、公証人役場にまいります。
本人と任意後見受任者は、一緒に公証人役場に行って、公証人の面前で記載内容を確認します。
その内容を「公正証書」にして、正式に契約を交わすことになります。
公正証書作成にかかる手数料は、1万1000円ほどです。
その他に登記印紙代などがかかります。
そして公正証書の内容は、公証人役場の公証人からの依頼(嘱託)により、東京法務局に登記されることになります。
これで正式に「成年後見登記」されたことになります。