早朝、この日は、妻と私は、孫の授業参観に出席のため、最寄の駅に向けて歩道を歩いておりました。

あいにく小雨が降りしきる天候で、傘をさし、足早に歩をすすめます。

私ども以外は、道行く人は見られません。

 すると妻が叫びます。

「危ない!」、私の手を強く引きます。

 いったい何がと思った瞬間、脇を自転車が走り抜けます。

自転車に乗る若い男は振り返り、私達を睨みつけ、過ぎ去ります。

あぁ~、危なかった・・・・・・。

私のさす傘と、肩に下げるカバンが振れます。

 かなりのスピードでの走行と思われます。

後方からの自転車は、何で、前を行く歩行者の安全確認をして、走行しないんですか・・・・。

 一瞬、私は、"このバカモノ"と言ってやりたいほどの怒りさえ覚えました。

妻は私の表情を見てか、「相手は若い男で、殴られたりしたらどうするの、やめなさい」と言います。

 自転車に乗る若い男は、何か急ぐ用事でもあったんでしょうか・・・・・・。

 かって昔は、自転車は車道を多くは走行しておりました。

歩道は、正しく歩行者専用の通行路とでも言って良かったんです。

ですから歩行者は、歩道上を安心して歩行していたものです。

 ところが最近は、安心して歩けなくなりました。

これも車が急増し、車道を走行する自転車は余り見かけません。

危険でもあり、道路交通の妨げにもなります。

 それは勿論理解出来ることでありましょう。

ただ歩道は、あくまでも歩行者の優先通行路であります。

 道路交通法上、自転車は軽車両であり、当然ながらその規制を受けます。

前方・左右の安全確認をして、走行しなければなりません。

 昨今、歩道上の自転車事故が急増していることは、皆様もよくご承知のことでしょう。

 人と自転車の接触、出会い頭の自転車同士の衝突など、事故が多発し、けが人も出ます。

重過失致死傷害事件としての処罰や、損害賠償の民事事件など多くの課題をかかえます。

今日の社会問題ともなっております。

 警察などの取り締まり機関はもとより、行政、自治体など一体となって事故防止に取り組む要がありましょう。

 加えて何より、国民一人一人が自己を戒め、互いの信頼と倫理観のもと法を遵守し、事故回避に努めなければならないと考えます。

 そして私達歩道を通行する者が、安心して明るく歩行出来る社会にしたいものです。

 皆さん、歩道上を自転車に乗って走行する方も、歩行者もよくよく注視し、安全確認いたしましょう。