離婚の際に取り決めた「養育費」の振込みが滞っている、配偶者の不倫相手へ慰謝料の請求をしたい場合などには、先ずは「内容証明]の発送を多くの方は考えることでしょう。

 今回は、「内容証明郵便」について勉強してまいりたいと思います。 

内容証明郵便とは、「いつ、誰が、誰に宛てて、どのような内容の手紙を出したか」郵便局が公に証明してくれる郵便物です。

 また「配達証明付内容証明郵便」では、「相手に,いつ届いたか」まで証明してくれます。

しかし内容証明郵便は,基本的には手紙なので、法的効力や拘束力はありません。

ただその利用の方法によっては、有効に活用することが出来ます。

 内容証明は主にどの様な時に利用するかといいますと、一つは、相手方にプレッシャーを与えたい時です。

本書面作成代理人の弁護士や行政書士は法律の専門家であり、差出人依頼者の後に署名し判を突きますので、内容証明書を受取った相手方は,「何だか法律家が入ってきて裁判沙汰にでもしようという気なのかな」と心理的にプレッシャーを受けて、問題の解決に繋がったということもあります。

 内容証明自体に法的効力があると思っている人は、多いようです。

直ぐに裁判にするのではなく、その前のワンクッションとして内容証明郵便を送り、相手に警告を与え「このままでは、最終手段に訴えますよ」というあなたの強い意志を伝える効果は,十分あるようです。

二つは、通知をもって法律上の効果が発生する時です。

例えば,契約の解除やクリーンオフ(買受け申し込みの撤回)です。

三つは、請求・通知したという証拠を残しておくことです。

例えば,貸金の返還請求などです。

四つは、「時効の中断」です。

 これらが有効としてあげられますが、他にも前述の離婚の養育費が滞っている、種々の慰謝料請求、法律上定められている相続分を侵害するような内容の遺言書ある場合の「遺留分減殺請求」の通知などがあります。

相手に口頭で伝えた場合と異なり、後々に「言った」「いや、聞いていない」などの争いを回避します。

何より証拠として残せることが有効です。

 ただ相手の同意済みの時や誠意がある場合に、敢えてした内容証明書の発送は、逆にこじれてしまいます。

また記載した文章の内容や表現によっては、不利につながることも出てきます。

相手方に内容証明を出した方が良いケースなのか、またその文面の内容を十分精査して出すことが大切です。 

 次に内容証明書の書き方、出し方には一定の決まりがあります。

内容証明書用紙は、1行20字以内、1枚26行以内、で書きます。

文章中文字を訂正、挿入、削除する時は、欄外の上に字数を明記して捺印します。

用紙の枚数が2枚以上にわたるときは、必ず契印します。

内容証明に使用する文字は、仮名、漢字、数字、固有名詞の英字、句読点、かっこなど、及び記号に限られ、それぞれ1字とみなされます。

用紙には、必ず差出人(発信人)と受取人(受信人)の住所、氏名を末尾余白に付記しなければなりません。

 差出人は、5年以内に限り、「書留郵便物受領証」を提示して、差出郵便局の保管する謄本を閲覧して内容証明郵便として差し出されたことの証明を受けることが出来ます。 

 以上述べましたように、内容証明は一言で云いますと、上手に活用することが求められます。

内容証明によって、あなたの利益にかなう、先々の有効な結果を待ちたいです。

 徒な発送は、避けたいです。