日常生活において、私達の周りには様々な問題が、そしてトラブルの種が落ちていると言って良いでしょう。

夫婦、親子、異性間、離婚、職場で人間関係のゴタゴタ、近隣住いのもめごとなど数え切れません。

悩みを抱え、ストレスが溜まります。

 中でも「離婚」は、解決までには非常な労力と費用を要することは覚悟しなければならないでしょう。

トラブルの芽が出ないうちに、そしてその芽を容易に摘み取れるように日頃より思慮をめぐらし、適切な方策をとることによって、平穏な生活を守りたいものです。

 しかし現実として、幸せな生活環境の中にありながら、突如としてその築かれていたホームにヒビを生じ、もろくも崩れ去ってゆくのであります。

 協議離婚の際に、二人の間で「合意書」という形で書面にされることは言うまでもなく大切なことですが、離婚に至らない場合でも、例えば夫婦関係の修復を視野に再スタートに向けて進めるに際しても、その時点での双方の合意事項を書類にしておくことがとても効果的であります。

夫婦関係の破綻に至った原因を作った側には、そのような書面があることで、少なからずブレーキがかかりますし、相手を信じて再出発した側には、同じことが繰り返された場合の「お守り」となります。

 やむを得ず離婚の道を歩む場合は、やはり「離婚協議書」をきちんと作成し、かつ「強制執行認諾文言付公正証書」にしておかれることを強くお薦めします。

そうしておかれれば、将来に若し約束の養育費が滞っても、いざという時に、相手の給与の一部を差し押さえるといった手続に入ることが出来ます。

即ち相手の方に、より強い責任感を持たせることにもなりましょう。

 公正証書は証明力が高く、また原本は公証人役場に保管されるため、紛失や偽造の心配はありません。

強制執行認諾の条項を入れることによって、前述のように金銭の支払の約束が滞った場合に裁判等の手続なしに、強制執行することができます。

 尚、公正証書作成には、二人揃って公証人役場にまいりますが、行く時間がない時は代理人に作成手続を任せることが出来ます。

 基本的には離婚協議書だけでも、訴訟を起こす証拠にはなりますが、法的な強制力がありません。

これで金銭などに関する約束のある離婚協議書は、「強制執行認諾条項を入れた公正証書」とする趣旨を、お解かり頂けたものと思います。

 だだこの公正証書作成には相手の同意が必要ですので、相手が公正証書作成に同意してくれない場合には、少しでもきちんとした離婚協議書にしておくことが必要です。

口約束だけでは、時の経過によって段々に約束自体が曖昧なものになってしまうことになり、結局支払ってもらえなくなることも多いようです。

明瞭なきちんとした離婚協議書を作成しておけば、最悪の場合でもそれを証拠に裁判を起こすことが可能であります。

 ところで、お二人が同意しておれば、公証人役場への離婚協議書の作成提出は、代理人として近くの街の法律家である行政書士に、ご依頼しては如何でしょうか。