ドクターおばあちゃん | 続・眼鏡記

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THE BOOGIE JACKボーカルのヒライシュンタオフィシャルブログ!!

娘が風邪をひいた。

40度近い高熱。

いつも胸がバチバチするほど元気な娘が、グッタリ。

ほんとは、大阪のタイガーコペンハーゲンへ買い物に行く予定を中止にして、病院へ連れて行くことに。

行きつけの病院は220分待ち。トイストーリーマニアかよ、と心の中でツッコミつつ、これは実質診てもらえないことを意味していると判断し、他の小児科をネットで検索。

2、3件断わられ…

徒歩数分のところに小児科を発見。

電話をかける。

すぐに診てもらえそう。よし。

でも、こんな近所に病院あったかなー。

とりあえず、向かうと…

家なんですよね。見た目が。

確かに書いてある。~医院って。

でもね、家なんです。見た目が。

それでも、インフルエンザの検査だけでも…と玄関を開けると。

いきなり、診察室なんですよね。

正確に言うと、待合室と診察室がワンフロアなんですよね。

診察室には70歳を越えているだろう、おばあちゃんの先生が腰を曲げて座ってた。

とりあえず熱を測ってみる。

もちろんデジタルじゃない。水銀のやつ。

熱を測ってる間、先生が診察室から話しかけてくる。

いつから?だいぶきつそうね。

これが診察室なのか雑談なのか、もはや判断はできず…

あら、4丁目なのね?近所じゃない。どの辺り?

なんて話をしながら、熱を測り終える。

39度。

じゃ、こちらへいらっしゃい。

一応、待合室から診察室の仕切りにカーテンがあるけど、それは全開で、とりあえず娘を診察室のイスに座らせた。

年季の入りまくった、机、診察台。

パソコンなんてもちろんない。

俺の子供の頃でも体験したことのない、まるでタイムスリップ。

先生は曲がった腰のまま、冷蔵庫からインフルエンザの検査キットを取り出した。

このタイムスリップした診察室と、最近のデザインのインフルエンザ検査キットの箱が、アンマッチだった。

何か、小さな試験管のような筒を取り出して、蓋を開ける。

が、開かない。

先生は、

鈴木さん、鈴木さんちょっと!!開かないわ。

鈴木さんは受付をしている、60歳くらいのおばあちゃん。

鈴木さんが蓋を開けて、やっと検査ができる。

娘のクチの中に、綿棒を入れて唾液を採取する。

が、手が震えている。

その後も、机の上に無造作に置かれた聴診器を震える手で、娘の胸やお腹に当て、シワシワの手で、触診をしていた。

ここまで、書いて、きっとみなさんは、

おいおい大丈夫かよ!!と思ったかもしれません。

でも、今日はそれが言いたいんじゃないのです。

むしろ逆。

俺は診察の間、ここに来て良かったと
思いました。


患者は我が家のみ。

ゆっくり、ゆっくり、優しく、丁寧に診てくださり、娘の表情が和らいでいくのも感じてました。

シワシワの手で、数え切れない患者を診てきて、この歳になるまで、医師をやめずに地域の健康を見守っている。

そんなこと思ってたら、グッときちゃいました。

結局、インフルエンザの反応は出ず、お薬をいただき、帰宅。

帰りの玄関を開けるその時まで、

辛いね。早く良くなるといいね。

また悪いようなら来なさいね。

と言葉をかけてくれて、帰宅。

薬の袋をあけると、昔の映画で見たような、三角の紙に粉薬が包まれているものでした。

最後の最後まで、すごい体験をしたなと思いました。

お薬手帳を確認して、震えた文字を読み解き、念のためネットで薬を調べた自分もなんだかなぁと思ったけど。

そういや、診察券もらってない。

お薬手帳出したとき、かかりつけの小児科のパソコンから出力されたキレイなお薬情情報を眺めてた先生。

今の若い家族は、みんなキレイな病院へ行くわよね。キレイで新しいほうが良いものね。

そんな声が聞こえそうだった。

もう、この家族はウチなんて来ないわよね。

そんなこと思ったのかな。

うん、多分行かないけど、なんか、なんだろ、行って良かった。

人なんだよね、人。

小さくて、古くて、少しだけ、いやかなり不安だったけど、安心できた。

朝、起きて娘の熱を測ったら、だいぶ下がってた。

おばあちゃんの薬がきいたんだ!

とはしゃぐ娘。

ありがとうございました。

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