次に交通量調査というのはどういう作業をするのかを説明したいと思う。

 

調査会社によって様々だが、事前に説明会を実施して調査内容と手順を説明するケースもあれば、調査当日の集合の際に作業指示書と呼ばれる用紙を手渡し、調査内容を説明するケースがある。指示書には調査の方法と車種分類の仕方についての記載があり、あとは注意事項(調査中は調査中と書かれた腕章と夜行チョッキの着用、調査中の携帯電話・スマホの使用は緊急事態以外は使用禁止で、会社によっては時計としての使用も禁止、調査用紙には鉛筆かシャープペンのみで記載し、ボールペンの使用禁止等)が書かれている。

 

一通りの説明が終わると、チーム分けを行いパイプ椅子(座る用とカウンターを置くため用(区別するためカウンターを置くパイプ椅子は背もたれの部分を取り外している場合がある))、調査用紙や腕章、夜行チョッキ等が入っている袋、場合によっては調査地点までの交通費が手渡され、各自担当する調査地点まで移動する。

 

調査地点までの移動も会社によって様々で、車で移動したり、徒歩での移動、電車やバス、タクシーを使っての移動と方法は様々である。調査地点に到着したら指定された場所に椅子とカウンターを設置し、ジャンケンにてローテーションを決める。早上がりについては会社や調査によってあったりなかったりする。

 

交通量調査の報酬は基本調査終了後に手渡しとなる。会社や現場監督によっては領収書を集合時に渡すケースもあれば、巡回途中で手渡すケースもある。基本的に報酬を前渡しするケースはないと思っていい。自分がやっていた会社は集合時に報酬を手渡していたが、これは会社がその調査員を完全に信用しているからであり、相当な理由がなければ行わないと思っていい。ちなみに自分のケースは自分が所属していたグループのメンバーが現場監督をしており、その現場監督が多額の現金を持つことを嫌っていたためだった。実際調査員の報酬(トータルで100万円ぐらい)をなくした現場監督がおり、その時は自腹で支払っている。

 

時間になると(午前7時)調査はスタートする。指定された場所を通過する車や人を指示書の通りに分類し、該当するカウンターのボタンを押す。調査用紙に記入する時間も様々で、10分・15分・20分・30分・60分毎と調査内容や会社によって様々だし、カウンターについてもトータルでの記入(ゼロクリアを絶対に行わない)もあれば、60分毎にゼロクリアすることもある。詳細は作業指示書に記載されている。近年はコロナ感染対策により、引き継ぎ時は最小限度の会話・交代時の消毒の実施・交代したら速やかに腕章と夜行チョッキを外して現場から立ち去る事が徹底されている。

 

休憩の取り方は自由である。コンビニのイートインに滞在する人もいれば、近くの商業施設やゲームセンター、パチンコ屋等に向かう人もいる。また調査会社や現場監督によっては車(大体はワゴン車)を解放して休憩場所として提供するケースもある。大体時間の5分前には交代場所に移動し、手の消毒を行い、腕章と夜行チョッキを着用して待機する。

 

現場監督は担当する調査地点を定期的に巡回し、調査員や調査地点周辺の写真撮影を行い、場合によってはトイレ交代要員になることもあれば、信号現示を行う事もある。作業終了後は調査用紙と機材を回収して車に積み込み、調査員に報酬を支払う。調査によっては調査員の送迎を行う。

 

調査が終了したら集合に集まり、調査用紙と機材を現場監督に引き渡し、領収書と引換えに報酬を受け取る。そして中身を確認し、金額が合っていればま現地解散の場合はそのまま解散、調査地点が遠方の場合は用意された車に乗り込み、解散場所まで移動する。

 

次に調査員が用意する物は以下の通りとなる。

 

鉛筆かシャープペンシルと消しゴム

 

調査用紙の記入は何処の調査会社も原則鉛筆かシャープペンシルで行う。近年のボールペンは消せるタイプも存在するが、雨の際、ボールペンだとインクが流れてしまって記入部分が分からなくなるためボールペンの使用はNGとされている。また調査用紙によってはコンピューターにそのまま取り込む方式や、依頼主にそのまま手渡すケースがあるため、判別できる文字での記入が徹底されるケースもある。

 

近年は耐水用紙を使用する調査会社も存在するが、消しゴムを使用すると用紙が汚くなってしまうため記入に注意する必要がある。会社によっては用意しているケースもある。

 

ボールペン

 

交通量調査でボールペンを使用するのは、領収書への記載と雇用契約書・誓約書の記入である。雇用契約書や誓約書は会社によっては調査の度に記入するケースもあれば、1度書けば年度替わりや数ヶ月経過するまで書かなくていいケースがある。会社によってはアルバイト登録用紙も兼ねている場合があり、その場合はメールアドレス等の記入が必要になる。

 

印鑑

 

領収書に捺印するために必要。コロナによって社会は印鑑不要になりつつあるが、交通量調査の世界ではまだまだ現役である。会社によっては印鑑を忘れると当日の給与の支払いが出来ず、後日会社に取りに来いという指示もあるため、忘れずに用意すること。また会社によっては不要のケースもある。

 

身分証明書(原本又はコピー)

 

事前に説明会がある場合はその時に提出し、当日説明の場合は当日に提出する。基本的には免許証かマイナンバーカードのコピーを提出することになる。また調査内容によっては身分証の原本が必要なケースもあるので、事前の確認を忘れないように。

 

時計(電波時計が望ましい)

 

時間の確認に必要。基本的に携帯電話やスマートフォンを時計代わりにすることを禁止している会社が大半のため、腕時計か置き時計を持参する必要がある。可能であれば電波時計や雨天時を考慮して防水機能があるのが望ましい。会社によっては貸し出しするケースもある。

 

懐中電灯

 

夜間の調査で調査用紙に記入する場合に必要。大体の会社は用意しているが、光が弱く場所によっては使えないケースもあるので、用意できれば用意した方がいい。

 

キッチンタイマー

 

絶対必要という訳ではないが、調査用紙への記入時間の間隔が10分・15分といった場合、あった方が便利。基本音で時間を知らしてくれるので、記入漏れを防ぐのと、居眠り防止にもまあ効果はある。これも雨天対策を兼ねて防水仕様が望ましい。また指定した時間で繰り返しアラームを鳴らせる機能は必需である。

 

座布団

 

これも絶対必要ではないが、長時間パイプ椅子に座るため、人によってはお尻が痛くなるのでその防止と、冬場の寒さ対策で使用する場合もある。自分はハニカム構造で二つ折り出来るゲルクッションを愛用していた。

 

使い捨てカイロ

 

冬場の交通量調査では必需品になる。会社によっては支給してくれる場合もあるが、基本は自分で用意する。

 

防寒具・手袋

 

これも冬場の寒さ対策になる。近年交通量調査員の間では防寒・耐水性のあるワークマンのイージスシリーズを愛用するケースが多い。また電熱チョッキも愛用するケースもある。手袋は雨天の時を考えて防寒・防水・防風効果のある製品を選択するのがいいだろう。自分は防寒着にストレッチ素材のコンプレッション上下を愛用していた。

 

空調服・帽子

 

こちらは夏場の暑さと熱中症対策になる。首に掛けるタイプの扇風機やサンコーのネッククーラーもある。

 

エナジードリンクや眠気覚ましの飲み物

 

眠気対策。会社や現場によっては眠気覚ましのガムを噛む行為を禁止している場合があるため、代わりになるのがレッドブル等の眠気覚ましドリンクになる。人によって効果は様々なので、人の話に当てにせず、自分の体調等を考慮して選ぶことが大事。また飲み物類は摂取しすぎるとトイレが近くなるので注意。

 

傘・雨合羽

 

実際に自分が体験した現場では、通行人の邪魔になるのと、歩道が狭いため事故を誘発する可能性があるため雨天時の傘の利用が禁止されていた。そういった現場では雨合羽が必需となる。上で書いたワークマンのイージスシリーズはそれなりの耐水性を有しているので、小雨程度であれば雨合羽の役目を十分果たす。

 

現金・小銭

 

実際にある話だが、調査員の中には100円の小銭も持たずに調査に参加する者がいる。実際現場監督に給与の前借りを申請した者がいるし(当然拒否された)、派遣のバイトを使ったときには金がないので傘も買えずびしょ濡れで調査をやっており、人間より調査用紙の方が大事だったため、傘を買い与えたケースもあった。ちなみに飲み物もいくらか差し入れたが、ありがとうの一言も言わない人間的に駄目駄目な奴だったので、以後出入禁止にした記憶がある。

 

あと、キャッシュレスの時代になったといっても、地方だと未だに現金での取り扱いがメインの場合が多いため、地方に調査に行く場合はいくらかの現金と飲み物を買うための小銭を用意するのがいいだろう。

 

携帯食料

 

地方の調査だとコンビニや店舗が近くになかったり、あっても移動に時間がかかるケースが多い。そのため休憩中の小腹を満たすためカロリーメイト等の携帯が容易で保存期間も長い食品をいくらか用意した方がいい場合がある。自分も地方の調査の時、一番近いコンビニが4㎞先と聞いたとき、事前にカロリーメイトとゼリー状の栄養補助食品を買い込んだことがあった。

 

次回は交通量調査員の闇について書きたいと思う。ちなみにこれが自分が調査員を辞めた最大の理由でもある。