少し前の、彼との会話。
以下、:彼、:私
「やっぱりハルには、ずっと女であること捨てないでいて欲しいな〜」
「女であることを捨てる?ってどういう事?」
「うまく言えないけど、今のままいて欲しい」
「ん〜今、女である事を頑張ってる訳じゃないから...たぶん今のままだろうけど」
「うん、今のままでいてくれれば、俺にとっては最高だからいい。」
「でもさ、赤ちゃんの頃から大学3年の前半まで男の人と間違われる事が日常茶飯事だったから...20代の頃はもっと女性と見られる事に必死だったよ?」
「例えば?」
「どんなに寝不足でもマニキュア&ペディキュアしてたし、美容院もマメに行ってたし、女子っぽい服や小物を選んだり?男性目線を意識してたというより、他人に“女”と認識されたいってレベルだったけど」
「意外!マニキュア&ペディキュアしてるの、見てみたい!」
「今はムリ〜。結婚してた時は元旦那に対してだけど、よく考えたら大人になってからずっと『女と認識される女性であるように』って頑張ってたね〜。今はそういうの一切ないもん」
「ええ〜?今ないの?俺に対しては??」
「え...ない...」
「それは...」
「離婚してから、誰かの価値観に合わせてまで付き合いたいとか思わなくなったし。子どもと生活していかなきゃっていうのが唯一だったから、男目線なんてどうでもよいし。今も絶対に結婚したい!って思ってる訳じゃないから、あなたの好みに合わせるつもりもないし」
「いやいや、結婚はするからね?(苦笑)籍はどっちでもいいけど、一緒に生きてくんだからね?」
「えーと...プロポーズ?」
「プロポーズはきちんと別にします!」
「うん(笑)」
「でも、誰かに見られるための頑張りが女であることとイコールではないから、ハルは女である事を捨ててるのとは違うと思うよ。たとえば食事に気を遣ったり風呂上がりにマッサージしたりっていうのも、性別関係ないだろうけど、ハルを形作ってるものでしょ」
「まあ、そうだね。そう考えると“女らしさ”自体が何かよく分からないけど、自分自身の心地よさや快適さを捨てなければ、そんなにヒドイ事にはならないとは思う」