バンド活動も下火になった大学時代の後半ごろの話になります。

 

ぼくには、大学入学ころから好きだった子が居ました。

 

高校の後輩です。

 

完全な片想いでした。

 

(というか、今の今までほっとんど両想いというのを経験したことが無い!…それでも恋愛至上主義者です)

 

その子に告白したり、いろいろアプローチしたりしましたが

 

まるでダメでした。

 

それでも友だちとしてなら関係を続けていいよ、とのことだったので

 

ずるずると友人関係を築いていました。

 

その関係は15年ほど続くのですが…

 

 

ある時、彼女がヤバいカルト的団体に入ったという噂が立ちました。

 

ヤバいカルト団体…? だいじょうぶだろうか?

 

国立の医学部(中でも難しい部類)には落ちたものの、

 

W大学の理工学部に進学した彼女。頭はそうとう良かったはずです。

 

そんな彼女が、果たしてヤバいところに入ったりするだろうか。

 

 

しかし、おりしもオウム事件などが世間を騒がせて間もなかったころです。

 

ぼくは気になって仕方なくなり、彼女にその「サークル」についての

 

説明を聞き、どんなことをやっているのか「潜入」することにしました。

 

 

「哲学についての勉強会」という名目でその例会?みたいのは行われていました。

 

一般人向けの勉強会、という感じです。

 

話を聞いてみると、うんうん、なるほど、という感じで解りやすく、

 

そんなに抵抗は無く受け容れられる自分が居ました。

その「会」の人たちも親切で、頭良さそうな人も多いし、

 

そんなにオカシなところでもないのでは?という感想を持ちました。

 

しかし、話されていることは明らかに宗教っぽくもあるし、

 

用心していこう、という気持ちを持ちながら、

 

この団体とぼくは関係を持っていこう、と思い立ったのでした。

 

 

何より、ここで話を聞き続けていれば

 

「死ぬことの解決ができる」という話でしたので、

 

ここは、いちおう注視しておいて意味の無いことは無いな、とむしろ

 

前向きにも捉えていたのです。

 

ただし、宗教ならばどこだってそういうことは言うだろうな、

 

とも受け取りつつ。

 

 

これが、のちに判明する「浄土S宗親鸞会※」という

 

カルト色の極めて強い団体だったのです……

 

 

※「浄土真宗親鸞会」というのが正式名称ですが、その内実は

とても浄土真宗とは言えないのでこういう書き方にしています。