新大河ドラマ「青天を衝け」が始まりましたね。

 

ヒラグチ家には「日曜8時は極力、家族揃って大河を観る!」という家訓があるので、当然、本日も一緒に観ましたよ!

 

前情報ナシで見始めたのですが、アバンタイトル(オープニングテーマに入る前のプロローグシーンのこと)に北大路欣也さん扮する家康公が出てきたりとなかなかのギミック!(北大路欣也さんは「江~姫たちの戦国」でも、家康公を演じられてましたね!)

 

かつては同じく大河ドラマ『葵 徳川三代』でも、中村梅雀さん扮する徳川光圀(水戸光圀=言わずと知れた水戸黄門)が劇中解説をしていましたが、それに通じるモノがあるなぁ~と思いながら、オープニングを見ていたら、

 

作(脚本)が、なんと大森美香さんじゃありませんか!

 

ワタシの影響で朝ドラを見るようになった奥さんが選ぶ「朝ドラ」ナンバー1の『あさがきた』の脚本家さんです!(他にも長瀬智也さんが主演した「マイボスマイヒーロー」も好きでした♪)

 

そんな関係なんでしょうか? 聞くところによると『あさがきた』同様、ディーンフジオカさんが「五代友厚」を演じるようで…。あの時も、「五代様ロス」が大きなニュースにもなりましたし、NHK、話題作りが上手いなぁ~と(笑)

 

大河の主人公にしては渋いところを狙ってきたので心配もあったのですが、初回を見た感じだと面白くなりそうで、今後が楽しみです♪

 

さて「○○ロス」と言えば…。

 

やはり「麒麟ロス」(笑)

 

次から次へと続くさまざまな苦難を乗り越え、異例の越年大河として全44話が先週ついにラストを迎えました。

 

個人的に感じたことをつらつらと書きたいなと思います。

 

①ネットで叩かれまくった「架空キャラ」

これに関しては今さらワタシが書くまでもないのでアレなんですが、架空キャラのシーンのために落とされたというか、描かれなかった歴史的エピソードがあったのかと思うと、やはり残念…光秀の物語ならば必須のハナシはもっとあったハズ(母「お牧の方」の悲話とか…もっとも今では後世の作り話とも言われてますが)。

 

②人間味を押し出した新しい信長像

キャスティングが発表されたトキ、そりゃいくら何でも「ち・が・う・だ・ろ、違うだろー」と日本国中がツッコんだ染谷信長ですが、古来より「超人的で英雄的」に描かれてきた日本史屈指の人気キャラを人間臭くも、どこか常人とはかけ離れた感性を持つ天下人として表現されていました。

おいおいと奇声を上げ、むせび泣くのも斬新でしたし、帰蝶(濃姫とは最後まで呼ばれませんでしたね)の膝枕で見目麗しい愛妻の頬を撫でるシーンも印象的でした。

そして「畏怖の対象」としての描かれ方も、威厳や威嚇等のかつての手法ではなく「地蔵仏の石像の頭をペタペタと叩く」シーンなどの異常性や違和感で表現してました。

何より秀吉を「猿」、光秀を「金柑頭」とあえて呼ばせなかったのも、脚本として狙ってのコトでしょう!

今までの信長像を刷新したという意味で、歴代の信長公を演じた役者さんの中でも白眉の存在となるような気がします。

 

③最新の歴史研究にのっとったアップデート

日本史最大のミステリー…というと、どれが最大かわかりませんが(苦笑)、「邪馬台国はどこにあったのか?」や「龍馬暗殺の真犯人」等が挙げられるのと同様、「本能寺の変」もまた最大のミステリーとして、歴史ファンにとっては『大好物の1つ』w

今回、ラスト2、3話前まで本能寺の変の黒幕は誰なのか?といういくつもの説(朝廷陰謀説や秀吉関与説、足利将軍説、はたまた家康や、次回予告における帰蝶毒殺説まで)のどれにでも取れるような焦らしテクを用いた上手いホン(脚本)だったと思います。

その中でも、「秀吉が明智惟任(十兵衛)光秀の謀反を知っていたからこそ『中国大返し』 が可能だったのでは」という知見や、「謀反を思い立ったのが、備中に向かう山中ではなく、家臣にはあらかじめ伝えていた」こと、また「本能寺襲撃時は、深夜ではなく早朝」など、既存の名場面をなぞるのではなく現在までの歴史研究が取り入れられていたのが印象的でした。これも今後の産み出される映画、ドラマに影響を及ぼすかもしれませんね。

ただ1点。今作では「信長が天子様にご譲位を迫り、正親町帝の不興を買う」という描写がありましたが、同じく大河ドラマの「平清盛」をご覧になった方は白河法皇や鳥羽上皇などが院政によりその権勢を振るったコトはご存知のハズ。このことを思えば譲位し上皇となることは、帝(正親町天皇)にとっても誉になるワケで、譲位を嫌がってる風な描き方は少しピンときませんでしたね…。(余談ですが「平清盛」は大河史上屈指の名作だと思います!)

 

④逆賊のイメージを払拭する大河のパワー

主君を討った逆臣、明智日向守光秀と言えば吉良上野介とならび、本邦指折りの悪者キャラ(苦笑)

しかし、主人公として描かれるとこうも好意的に日本中から受け止められるのか?とあらためて大河の影響力を思い知らされましたね。そもそも、人間1人ひとり「それぞれの事情」の中で「選択しながら」生きているワケで…。その選択を主人公視点で見れば感情移入しやすくなるのは当然ちゃあ当然。特に今回は物語前半の「美濃編」が道三を演じる本木雅弘さんの好演もあって、光秀の良い人っぷりを全編にわたり押し出していましたから尚更!

うん、これはやはり是が非でも「田沼主殿頭意次」も大河化して貰わねば!ね♪

 

⑤最大の魅せ場「本能寺の変」と「それ以降」

当然このシーンを皆さん、待っているワケで『敵は本能寺にあり!』と『是非に及ばず!!』の2つのセリフに痺れる準備満々で最終回を迎えました。

この『是非に及ばず』は『是非もなし』という言い方をした説もあって、今回は後者が採用されたワケですが、これまでの大河で散々描かれてきた同シーンの中でもイチバン痺れました!

目には涙を湛えながら、口元には笑みがのぞく…。「十兵衛、そなたが。そうか」と弓により傷を負った胸から血を掬いとり、ペロっと舐める。

『であれば、是非もなし!』

 

 

「刹那に生きることを旨とするもののふ」が最後の舞台に臨むにふさわしいシーンでした。また「炎の中で華麗に『敦盛』を舞う」というお約束のテンプレートがなかったのも、むしろリアリティを感じさせるものになりましたね。

そういった意味でも、最終回の主役は間違いなく染谷信長だったと思うのですが、それは後日譚の扱いによるものも大きかったように思います。

近作の大河では、『真田丸』の内野(聖陽)家康の「決して笑ってはいけない伊賀越え」や、『女城主直虎』の阿部(サダヲ)家康の「新喜劇ばりのヘタな小芝居伊賀越え」など、直近2回に渡り、そのコミカルさにネット上の話題をさらってきた【神君伊賀越え】があっさり終わったのは良いとして、「中国大返し」からの「山崎の戦い」がナレーションだったのが、最終回の主役を譲ってしまった原因でしょう。

学もなく、出自も良くなく、今までずーーーっと格下と思っていた小男に、よもやの強襲を受け、ほぼ孤立状態で敗れ去り、もはや逆臣としての汚名とともにからがら落ち延びた山中で無念にも落ち武者狩りに討たれる。

演出として光秀生存説をとるにしても、生死の別はともかく「竹槍で突かれる」ところまで映像化してあれば、その後のシーンも生きたハズ。

そのものズバリは言及していませんが、本作では「光秀=南光坊天海」説を匂わせて幕を閉じました。ファンとしてもその説の可能性が高い低いは別として、その終わり方でも良いよね!と思えるエンディングでもありました。麒麟を追い続けたヒーローが、幕府の礎として太平の世を創る地固めに寄与したってのは物語としてはいいんじゃないかと素直に思いました!だからこそ本能寺の変以降も尺をとって、なんなら放送回を増やしてでも観てみたかったなぁ~というのが本音です。

 

何はともあれ、困難をはねのけ1年以上に及ぶ大変なドラマを完走してくれたコトに感謝です!

 

(13日深夜、福島県や宮城県を中心に震度6強の地震が発生しました。報道によると10年前の東日本大震災の余震とも考えられているそうですね…。被災された皆さんのご無事を心より祈っております。実は地震発生時は、ちょうど大河の感想を書いていたのですが、こんなの書いてる場合じゃない!と思って全削除しました。その時と全く違う文になってるのが自分でも不思議です。まぁ、そんなコトはおいておいて…何はなくとも、がんばれ日本!がんばれ東北!)