【不可逆】という、あまり耳慣れない言葉があります。
意味は「再びもとの状態にもどれないこと。」です。
確かに日常的に使われる場面は少なくて、かろうじて『画像の圧縮形式(保存)』のjpg(.jpegとも)の説明で『不可逆圧縮』フォーマットと紹介されるトキに使用されるぐらいでしょうか。
今日は
『東日本大震災とその後~南相馬市の現況と復興に向けた課題』
と題された講演をお聞きしました。
お話くださったのは福島県南相馬市、桜井市長。
『震災から5年半。東京以西では原発事故は終わったと思われている。しかし現状が知らされていない。』
そう、あの日津波による甚大な被害を受け、更に放射能汚染に晒され、現在進行形で今もなお深刻な状況下に置かれている地域・・・
まさに思いがけず【不可逆性】の高い被害をこうむった街から、
マスコミも報じえない真実を我々に伝えるためにお越しくださったのです。
有史以来、人類は幾多の天災に見舞われ、そのつど雄雄しく何度も立ち上がってきました。
無論、天災はないほうがいいに決まってます。大地震も大津波もこないに越したコトはない・・・。
本当に不謹慎な物言いかもしれませんが、被災された方の中には、でもせめて『津波だけなら・・・』あるいは『地震による倒壊だけなら・・・』という思いがひょっとしたらあるのやもしれません。(不快に思われる表現だとしたら本当にスミマセン。)
いまだ巨額の除染費用が投じられている現状こそが、まさに【不可逆性の高さ】を物語っている、そんな思いでお話をお聴きしておりました。
お話を聴くだけではダメですね。当事者意識を持つ!これ大事・・・。