去年の秋、息子(3歳半、アメリカ在)の幼稚園の先生と初めての面談がありました。子供一人につき10分の面接で時間になると、違う先生が外からドアをガチャっと開けます。とにかくあっという間で。

 

先生は、息子が挨拶をしても答えない、質問をしても答えない、友だちが遊ぶのを遠くからじっと見ていて交ざらない、遠くから観察していないときは一人で遊んだり本を読んでいる、と最初に話しました。一人で悲しそうにしていますか、と私が聞くと、先生は、ニコニコしながらみんなを見ている、と。本当にまったく誰とも遊ばないのですか、と聞くと、そうですね、ほとんど遊びません、息子さんは一緒に遊ぼうとか仲間に入れてとかそういうことを言えないみたいですね、と先生。先生はとにかく息子の出来ないことを強調するので、私が不安になると、先生はいいことも言わなくちゃと言った感じで、ダンスと歌は誰よりも一生懸命で、覚えはいいし、よく好き嫌いなく食べる、頑張っていることを褒めてくれました。そして面接が終わる頃思いついたように、一度専門機関でテストしてもらったら、と付け加えました。

 

挨拶をしない、質問してもなかなか答えないことなどは、自分でも気が付いていたのですが、まだ3歳なんだから気にしなくてもいいと、思っていました。私だって今だから丁寧に挨拶をしますが、10代の前半頃明るく挨拶する自分が嫌になって挨拶拒否をしていた時期もありました。でも、確かに、友だちと遊ばない、というのは少し心配していました。先生が毎週金曜日にその週に撮った写真を何枚か送ってくれるのですが、その写真を見る息子は大体いつも一人で何かをしています。ほかのお子さんはみんなでわいわいしているのに。今まで送られた写真の中で彼が誰かと一緒に写っていたのは1、2枚あるかないか。

 

子供の成長の専門機関につれていくと、知性(Cognitive)、社交(Social)/感情(Emotinal)、言語(Language)、適応性(Adoptaion)は平均より上でしたが、コミュニケーション(Communication)と手先の器用さ(Fine Mortal Skill)は平均以下でした。平均よりずっと劣るとなると市のプログラムを受けられるそうですが、息子の能力は問題になるほど低くないらしく、プログラムには該当しませんでした。

 

テスト結果を先生にメールをしましたが返事はありませんでした。正直、先生は少し攻撃的な割には色々な面で無責任なことが今まであったので、先生からテストを勧められたにも関わらず返事がないことは予想できました。

 

しかし、その後、幼稚園での息子の様子が気になりどうしているかメールで先生に聞いてみると、彼はやはりコミュニケーションに問題がある、悲しそうにはしていないが友だちと遊ぼうとしない、いまだに何か質問をしても答えない、という事で、先生に家では話す言葉をしっかり全文で繰り返させるように、とアドバイスを頂きました。

 

楽しそうにみんなを見ているなら、そこまで心配しなくても大丈夫かな、と私は思いました。何も友だちと仲良く遊ぶだけが正解ではないですし、観察するのが好きで一人で考えることも大切です。そして、思い返すと、誰よりも、私自信がみんなで仲良くするのがとても苦手でした。多少いじめられたり、取り残されたり、周りの目ばかり気にして胸が裂けそうになったりしましたが、今になっては大切な友達が数名いますし、一人で培った経験と知識だってあるでしょう。息子もそういうタイプなのかもしれません。観察するのが好きならば、みんなと遊ばなくちゃというプレッシャーや一人でいる罪悪感なんかを感じずに好きなだけ観察してもらいものです。

 

最近になって、心理学を専門にしている知人に、息子の話をしてみると、アメリカにはいろいろな作業療法(Occupational therapy)があって児童用のコミュニケーションのセッションもあり、ほとんどの保険でその費用はカバーされると知りました。市のプログラムに入れなくても、コミュニケーションの能力が多少でも平均以下の場合、彼も一般のプログラムに参加可能ではないかと、アドバイスを頂き、早速、検索し、コンタクト。今日の夕方に初めて参加します。彼のコミュニケーションに大きな成長と変化を求めているわけではないですが、こういった機会は彼にとってプラスの経験になるのでは、と思って、参加してみます。