個人的なことですが、一昨年の夏に父がガンで手術をしたのをきっかけに介護施設に入所することになり、人生の最後をどのように迎えるかを考えるようになりました。
以前の父は、「お前に世話をかけない」が口癖で、ヘルパーさんの助けやデイサービスを使いながらながら、なんとかひとりで暮らしていました。
しかし、昨年7月に初期のガンで手術、入院。全身麻酔だったこともあり、入院中は支離滅裂な言動で看護師さんたちを困らせました。そして、退院後に体力低下による脱水症状で再入院。このころから、認知症が表れはじめたのに加え、2度の入院で歩行が困難になり、リハビリのために老人保健施設に入所しました。
町議会議員に当選したばかりで慣れないことにとまどう毎日のなかで、病院からも、施設からも、父の言動や病状の連絡を受けて対応に追われると同時に、老健退所後のことも考えなくてはならず、このころが、私にとっては一番苦しい時期でした。その後、父は近くの有料老人ホームに移りましたが、父にとっても、手術・入院前の、「ひとりでなんでもできる」というイメージと、施設でヘルパーさんのお世話になっている現実とのギャップで苦しいときだったと思います。
「できる」と主張する父に、できない現実をわかってもらう難しさと辛さもありました。
自分のお金で、自分の家で生活していた父に、介護施設に入所してもらうということは、父の了承と理解を得られなければできないことです。生計や住居を一緒にしている場合とは、違う難しさがあると感じました。
 
入所する施設も、介護保険法の改正で、特別養護老人ホームは要介護3以上でなくては入所できません。父はひとりで生活できる状況ではないですが、要介護2なので、有料老人ホームかグループホームを選ぶことになりますが、年金で払える範囲となると限られてきます。
そうした施設探しも、家族の仕事です。
 
自分自身の老後に置き換えたとき、やはり子どもに負担をかけないといけないのか・・・と暗澹たる思いになりました。家族がいない、事情があって家族を頼れない場合はどうなるのか。結婚しない、子どももいない、というシングルが増えていくなかで、高齢者福祉の今後も見直さないといけない時代になってきていると感じました。
 
続きはまた・・・