今回は僕がレスポールを買った時の話をしたいと思います。





今回もまた読み物として楽しんでもらえればなと。


ギターやエフェクター、あるいは楽器かどうかを問わず自分の手元に来る時に何かドラマがあったらそのアイテムを可愛く思えてしまいますよね。


僕は高校時代ギブソンのレスポールスタジオを買いました。


今でも実家で保管して帰る度に弾いています。


しかしながら、本音を言えばカスタムショップとは言わずともサンバーストの普通のレスポールが欲しかったんですよ。


そして社会人になって数年経った後、馴染みのお店に行ったらやたら新しいギブソン製品が並んでるわけです。


僕:どうしたんですか、これ?

店主:ああ、これかい?Gibson卸してもらってるとこの営業が売上やばいのと販売チャネルの変更がどうたらで、隠してた出物をしこたま持ってきたのよ。10本ちょっと弾いて取ったのが2本。後のはあんまり良いと思えなくてさ笑笑


というストーリーがあったそう。


どうやら、文化的にそうなのか真偽は分かりませんが、大体ギターの卸元は営業さんがこれは!っていう品物を密かに隠して本当に売り上げがやばい時のためにずっと持っているそうです。


もうこの時点で良いものなのかもしれないとバイアスがかかりますよね笑


2019年に購入しましたが、2016年製のレスポールトラディショナルです。


もちろん新品。


マニアからするとさして評価が高い年ではないんですよね。5chあたりの掲示板やスペック厨のギターブログ等では地雷だから買うな!なんて意見もみかけたりw


ボディに9つの穴が空いて重量加工が入ってる仕様の年の一本ということになります。


いわゆるチーズホールレスポールです。


重さは3.9kg前後といったところでレスポールにしては軽いです。まあ当然ですけどね、軽量化の加工入ってますから笑


そして、話は続きますが、当時私は自分に関わるとある人物が亡くなったために、弁護士のお世話になったりで大変な状況にありました。


そのショップがある地域の近くの弁護士事務所に通っていたのですが、帰りは毎回ギターを眺めてオーナーと世間話してこいつを試奏して新幹線で帰るというサイクルを2-3回やったんです。


そんな中でこのレスポールと出会い試奏しまして、まあとにかくアンプから出てくるトーンに思うところはあれど、いやらしくない程度の虎杢、ボディーがちゃんと鳴ってる感触のトーンと、いじりたいところはあるけれど概ねこの個体はアリだなと思って毎回帰っていたわけです。


2回目の時に欲しいんですよねぇこれ、なんて話している時に親子がショップに入店してきました。


ギター教室に親子で通っているなんて話をオーナーとしているのをスマホを見ながら私もショップのソファーに座って聞いていたんです。


そして、お父さんがこの子(小5)にギターを買ってあげようと思ってるんだけど、マスターはどれがいいと思う?と尋ねるわけです。


嫌な予感はしました、おいおいおいまさかな、と。


なぜかというと、その子知識量が半端じゃなかったんですよ。


入店早々に、


"あ、これはバッカスだ、このギブソンのフライングVはパーツが全てゴールド仕様で珍しいな、SSHのフェンダーかーでも3S仕様がやっぱり良いかな"


とかブツブツ言ってるんです。、


そして、お父さんはやっぱりギブソンを買ってあげようと思ってるんですよねぇ、と。


もちろん私は、やっぱりこの展開かよ!あいつは、あいつだけは!と真顔でスマホをいじりながら内心ヒヤヒヤです。


あの時なぜか、焦りすぎてひらがなの"ぬ"と、"け"をGoogle検索かけていたの覚えていますw


男の子はまず、ストラトはやっぱりいいかな、このレスポールかフライングVもいいな!と。

はい、もちろん男の子に罪はありません。あえて言うなら買わない僕には何も言う権利がありません。


お父さんも価格的にはその辺が限度だし良いよどっちでもと返します。


そこでオーナー、

まずは弾いてみようかと両方弾かせます。


以下会話形式で流れをば。


男の子:このレスポールは軽くて良い感じ、僕でも弾けそうだな


オーナー:そうだね、軽いし鳴りも良い個体だからね。


お父さん:フライングVも弾いてみたら?


(僕:ナイスゥゥゥ!お父さん!!)


男の子:うーん、これも軽いし高いところが弾きやすそうで良いなぁ


オーナー:音もやっぱり派手で個性的だよね。


ここでチラッと私を見て頷く


オーナー:でもさ、やっぱりレスポールもいいけどフライングVなんて最近の子はあんまり使わないからこれでカッコよく弾けたらめちゃくちゃかっこいいんじゃない?実はね、これゴールドパーツなんだけどなかなかない珍しい仕様なんだよ


男の子:あ、やっぱりそうなんだ!そうだよね、これ持ってたらかっこいいかな!じゃあこれ!


オーナー:いいですか?お父さん。


お父さん:実はレスポールより安いそっちにしてくれないかなと思ってたので大丈夫ですよ。


という流れに。


あの時はもう、

オ、オーナー!!!!と抱きつきたい気持ちでしたよ笑笑


いやね、お父さんは6弦A始まりのマイナーペンタの上昇と下降のみ、息子の方はカエルの歌を弾いてたんですよ。


なんならお父さんはストラトとレスポールはどんな音の違いがあるんですかなんて聞いてるわけですよ。


別にね、初心者だからギブソンを買うなとかそんな事を言うつもりは全くないんですけどね、自分が欲しいと思ってる個体だとそうも穏やかな事ばっかり言えなくなりますよ。


うぇええそいつを買うのか!


マジかよ!


単純にあいつだけは!お願いだから買わないで!お願い300円あげるから!って心境なわけです。


で、無事その親子がフライングVを手にして帰った後、


オーナー:で、〇〇君どうするこれ?(笑)


僕:買います。今すぐ。


オーナー:え?冗談で言ったんだけど本気?笑

    去年majestyかったばっかじゃん!


僕:いやもう弁護士騒ぎとかで疲れてるんでいいです。買いますから。こんな目に遭うくらいなら買ってから後悔した方が諦めつくっす。


という流れに。


考え無しの魔改造してしまいましたが、冒頭に書いた通り僕は元々レスポールスタジオを所有していまして、それでギブソンは一応持ってるしいいかななんて思ってたんですが、ゆくゆくはやっぱりサンバースの普通のレスポールが欲しいなとは考えていました。


何より、軽いからその恩恵で良く鳴る、その割にはサステインもバッチリだし、仕上げとかに拘るタイプではないのでやっぱりこのLPが欲しい!しかもトラディショナル!


C/Sラインの奴と比べてしまうと音は次元が違うなんてよく聞きますけど、持ち歩くのに高級家具顔負けの値段のギターは気が引けますからね笑


音の話をしましょう。


どう表現したら伝わるのかよく分からなくて、結局誰にもわかってもらえなかったんですけど、アタックのダイナミクスがすっごく頭打ちな感じなんです。


なんていうか、ネックもブリッジも全て調整してあるし、なんなら出荷前はプレックさえもかけてあるのにアタックに変なコンプ感を感じてました。


ぺいいいん!っていうなんか逆反りでフレットに擦るような感じが3弦7Fあたりで顕著に。


弾けば弾くほど気になるとオーナーに相談したところ、俺が触る限り問題ないし、これで文句付けるのもなかなかだけど、じゃあさ、試しにPU替えてみたら?苦笑と。


オーナー曰く、もしかしたらPUのマグネットが悪さしているかもしれないし、57classicも悪くはないけどどうせもう買い替えないなら良いPU付けといても損はしないでしょって。


軽くてダイレクトマウントのギターばっかり弾き過ぎてるのかもね笑とも。


ちなみに、これについてはMBTさんに付いてた57classicを差し上げた際に聞いてみたんですが、恐らくブリッジとPUのポールピースの距離の問題でそう感じている可能性はあるかもとの事でした。


オーナーと同じく変なコンプ感みたいなものは全く感じないとの事。


そして、取り替えたPUはthrobakのDT-102。


"throbakについて"

平たく言うとギブソンがP.A.Fを製造していた頃のマジでエンシェントでビンテージなマシンを見つけ出して買い取り、可能な限りレストアして昔のギブソンの仕様に近付けて現代に甦らせた上、ビンテージの本物を研究しつくして素材から磁石から何から何まで本物と同じ様に作っているちょっとぶっ飛んでるメーカーです。


ちなみに、どこだったか名前を忘れましたがとあるメーカーがそのマジでヤバいマシンをアホみたいに莫大な金額で買うから譲って!と言われてもthrobakは譲らなかったという逸話があります。


もっともっとざっくりまとめると新品で買えるPAF作ってるとこです。


僕は別にPAFオタクってわけでもないので、フロントにアタック感が残ってリアのリフワークでバイト感あるやつならなんでも良かったんですけどね笑


オーナーは、


またディマジオあたりにする?レスポールスタジオに載っけたバーチャルパフ気に入ってたよねぇ?安いしさ、なんて最初は言ってたんですけど、K&T以外でこれは!って思ったメーカーないんすか?って聞いたらここ5年くらいで驚いたのはthrobakかなーあれは良かった。とにかく気持ちいいから弾けばわかる。今風のロックやハイゲインに合うか?と言われると悩むところだけど、〇〇君これまさかドリームシアターとかやるわけじゃないでしょ?笑


と。


僕がこのレスポールに対して望んでいたのは、クランチにしてコード弾いたらジューシーに広がる感じ、後は普通にソロの気持ちよさなんですけど、オーナーの感想も参考にしながら最終的に試してみる事にしました。


もう、あれなんですよ、普通に良い音するレスポールが欲しかったんですね。何も考えずに弾けるギターが欲しくて。


あと、バイト感と表現してしまいますが、レスポンスの良い食いつく感じがあれば自ずとブリッジミュートも気持ちよく弾けますからね。


そして、どれにするかは少し悩みましたが、DT-102のページにあるマーシャルらしきアンプに突っ込んだトーンがすごくツボをついてきたのでこれに決めました。





そうそう、これこれ、と。


しかしまあ、これ、ギター買った直後にこの出費は流石に痛かった。


もう既に値上がりしていますが、値上がり前でさえ1発約4.2万ですからね苦笑


2発替えてPUだけで8.4万。


今の価格だと1発5.5万、2発なら11万ですよ。


や、やべぇ、、、。


値段の話はともかく、音色は文句無しでした。


実は最近同じ2016年製のトラディショナルを試しましたが、やっぱり太さとか伸び感は全然違います。


違うお店ですが(便宜上マスターと呼びましょうか)横で聞いてるとマスター的には正直大きな差はあまり、、、?と話していましたが、弾いてる本人からしてみれば全然です。


ブリッジミュートの立体感やはっきり感は当たり前、3弦7Fの例のストレスは皆無、とにかく気持ちの良いトーンになりました。


やっぱりパワーコード1発弾いて、これ!良い!ってなるものってギターもエフェクターも大体間違いないなと思いますねぇ笑


もちろん例外はありましたけど苦笑


そして、フロントです。


フロントがもう本当に良かった!


レスポールのフロントって本当にモコモコしててアタックの透明感は難しいんだろうなぁなんていう僕の固定観念をぶっ壊してくれました。


アタックに瞬間にちゃんと発音が聞こえて透き通る様なトーンなのにしっかりフロントの甘いトーンなんですよ。


これ、実は僕がLPスタジオに載っけたバーチャルパフのフロントがそうなんですが、それの上位互換て感じです。


リバーブかけてフロントで弾くクリーントーンは絶品だと自信を持って言えます。


もっこおおお!ってしないフロントってかなり難しいとK&Tを紹介する村田さんも言ってましたね笑


そんなこんなで僕のレスポールとthrobakの紹介でした。


でも、僕、クラシックロックが肌に合わないのでこのレスポールでレッドツェッペリンとかやるわけじゃなくて、普通にアジカンとか楽しいんですよね笑


あ、クラシックロックではありませんが、AC/DC弾きたくなる時は必ずこれで弾いてます笑


Back in Blackのリフがもう気持ち良くて気持ち良くて。


これ以上長くなっても仕方ないのでこの辺にしておきますね。