日本人が知らない日本の安全保障 (マイコミ新書)/加藤 ジェームズ

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安全保障を理解するのに多くの論者の著作を読むのが役立つと思い、衝動買いしてしまった。

中身はとてもわかりやすく書かれており、すぐに読めてしまう。

不審船事案を始め、日本の安全保障がよくわかる。安全保障を考えるのに役立つ一冊。


個人的に気になった点を以下箇条書きします。

1951年 米国・国務次官補ディーン・ラスクは、書簡により、竹島は日本の領土であるとした。

1952年 サンフランシスコ平和条約でも、日本の放棄領土に竹島は含まれなかった。

沖ノ鳥島では、波風で侵食され続け、島の水没の危険性があるため、島保護のため、護岸ブロック設置工事が1988年から実施されている。

航空自衛隊のスクランブル発進は、ほぼ毎日

1984年に国際航空民間条約が改正され、領空を侵犯した民間航空機の撃墜は禁止になった(大韓航空機撃墜事件が契機)

零戦は、名機だが、当時の日本の工業力では、低エンジン出力の発動機しか作れなかったので、極限まで軽量化し、防御力が犠牲になった。

日本海軍は、レーダーに対する意識が低く、艦艇への搭載を嫌がることもあった。

国連海洋法条約にも、国内法にも「領海侵犯」の定義はない。

→「領空侵犯」については、国際条約にも、国内法にも明記されている。

たとえ軍艦でも国籍を示す外部標識を掲げて、沿岸国の法令を遵守する限り、他国の領海の航行は可能

国連海洋法条約では、領海の幅は12海里までとなっているが、各国の意思で減らすことはできる。

「国際海峡」は、事前通告なしに、通過できる。

アメリカ国外で最も早くイージス艦を配備したのが海上自衛隊

世界の海軍で大規模空母機動部隊を運用した実績があるのは、日米のみ。

日本の法律が適用されない在日米軍基地(基地外でも公務執行中の罪であれば、米国によって裁かれる)

「外交関係ウィーン条約」第21条によって、各国は、他国が自国内に公館を設置する手伝いをする義務がある。

1903年 アメリカは、キューバとの間で、グアンタモ湾を永久租借地とする条約を交わした(法的にはキューバに主権があるが、統治権を米国が持つ)。

→米国の飛び地

かつて自衛隊では政治的配慮から戦車を「特車」と呼んでいた時期があった。

1944年 ドイツ軍が戦場に投入したV1及びV2という兵器は、世界で初めて実戦で使用されたミサイル

世界の平和に対して協力することは、日本の国際的な信頼を高め、日本の国益に合致する。

日本の安全は、日本周辺の安全のみによって確保されるわけではない。

アデン湾での船団護衛は、ジブチ共和国が活動拠点

1950年の朝鮮戦争で、日本は掃海艇部隊を秘密裏に派遣し、掃海艇2隻を失い、殉職者1名が出た。

→この戦死の事実は1978年まで封印され、靖国神社に合祀もされていない。


国際社会における相互依存が深まるなか、1国のみで平和を享受することはもはやできない。

戦力の価値は周辺国との相対関係

外交とは、国際的慣習や国際法に基づいて、自国の利益を最大化する行為

→親善は二次的存在

外交において幻想は通用しない

→互いの主張がぶつかり合う場において、ギリギリの落としどころを探る作業が外交

安全保障の現場に夢物語はない


今日は、ものすごく残業をして、超疲れました。目がめっちゃしょぼしょぼしてるし、背中が痛い。

明日は、雪祭り行ってきます!