ある所に存在する1人のスピリット ヒーラーがいた
ある日 一人の相談者と会った
彼女は 発達障害で
ひとつの思い込みに支配されていた
然し 思いは純情で 幼児の様な素直な心を持っていた
何か間に喰われているだとか
霊障の災いを受けてるわけではなく
過去からくる因縁みたいなものだった
然し ヒーラーはその人を救おうとはしなかった
相談は聞き 悩みを聞くことと
これからどのように行動をしたらいいかのアドバイスだけをした
出来るか出来ないかは本人次第だった
普段 人に話しに耳を傾ける者など居ない時の対話だっただけに
案の定 その相談過程に ヒーラーに恋心を抱くようになる
その相談の中身には 祈りを叶えるための作法よ所作も含まれていた
ヒーラーはある程度のアドバイスの後 距離を置いた
指示した事が出来るか出来ないかは本人次第
そしてヒーラー自信が居なくともひとりでそれは出来るものを伝授した
そして距離を置き 初めのうちは
いろんな角度からメールやらSNSもアカウントを変えながら ヒーラーに近づこう 声が聞きたいと 彼女はなっていった
ヒーラーはもう 今の段階では伝えることもなく 仮にステップアップをしたところで それ以上の力を持たせることも良しとはしなかった
それからしばらく音沙汰もなくなっていった
ヒーラーはある女性とSNS上で
言葉のやり取りをした
ヒーラーは ひとつの念を感じた
おそらくこの人は 以前ブロックした
あの相談者の女性だな と
ある日彼女はヒーラーの投稿に
ある念を込めたメッセージを送る
ヒーラーはそのメッセージを読み
静かに彼女をブロックする
メッセージの中身は
ヒーラーが発信する啓発的な類いではあったが
そのメッセージは共感とも取れる内容だったのに 何故 ヒーラーは彼女をブロックしたのか
それは その文字の奥に隠れた執念と嫉妬 そして 恋をみた
ヒーラーは冷たく切り離す
そしてその後のある晩
「コンコン」「コンコン」と
ドアを叩く音
それは1度で終わる
そしてヒーラーの妹が訪ねて来ている時
「コンコン」「コンコン」と
玄関のドアをノックする音が聞こえた
妹は 「誰か来たよ…」と言いながら
ヒーラーの顔を見る
本来 ブザーを鳴らすようなものだが
ノックをする事に不自然さを覚えたようだ
するとまた
「コンコン」「コンコン」
「…」
「お兄さん これ何? 玄関の様で玄関からじゃないね」
「微かに何か聞こえるよ 何か言ってる」
ヒーラー
「うんうん 放っておけ」
妹
「これが何かわかってるの?」
妹
「開けて…開けて…」
「ごめんなさい…ごめんなさい…って言ってるよ」
ヒーラー
「うんうん わかってる 耳を傾け 気を合わすな」
妹
「なるほどね 生霊の念なんだね」
ヒーラーは思い出した
その相談者に 祈りの叶え方のアドバイスをしていた
そしてそれは念を飛ばす儀法にも繋がっていた
いつまでも 距離を置くヒーラーに
思いを届けたく祈りの儀法に執念と集中をもって念を飛ばしていた
然しヒーラーは結界を張っているため中には入れず
ノックという形で現れた
まだ しばらく続くだろう