図像力 (HiQ IAマップと仕事力)
 図像力とは何か 
 

HiQは図像力の定義を次のように表現しています。
「見た物の外観を記憶してイメージに転換する能力」のことです。主に2種類の能力、二つのプロセスでなり立っています。
一つは,眼で観た図像を記憶する能力
もう一つは記憶した図像を何らかのイメージに転換する能力
一つずつ解説していきます。
・眼で観た 図像を記憶する能力
誰でも持っている先天的能力ですが、個人差があります。情報の取り入れには、「観る」「聴く」「考える」「感じる」の4種類があり、図像の記憶は眼から入ってくる情報で「観る」ということになります。したがって、最初のプロセスは、眼で観た情報を脳細胞にストックする、図像を記憶するということになります。

図像力の二番目のプロセスは、記憶した図像を何らかのイメージに転換することです。
人間は何か図像を観て、ただ観ただけということはほとんど無いと思われます。
たとえば道路標識を観れば、その標識に描かれた図案が何をかたどったものかを考えると思います。この段階でイメージが働きます。
図案が具象的で、いわゆる写実的であればイメージする対象も限られてきます。
道路標識に熊の絵が描かれていれば、その近辺には熊が出てくることがあるので通行人に注意を促しているというイメージが働きます。
描かれている図案が抽象的なデザインのケースではイメージのオプションが広がります。
人によってイメージオプション数が異なります。日ごろから眼に入って来る図像に注目しておくと良いですね。

 図像力がビジネスに貢献する 

優れた図像力を持った社員は企業にどのような貢献をすることができるのかを考えてみます。
図像力は見た物を図案イメージとして脳にストックします。図案イメージは文字情報より記憶しやすく脳内で整理しやすい特長があると言われています。この特長を生かしてビジネスに貢献することができます。
たとえば
・課題解決に貢献できます。
脳内にストックされた図案イメージの中から適切なシーンを取り出して解決方法として提案することができます。
新しい商品やサービスの開発に役立つことができます。
・言語表現が苦手でもある程度の図像力を持っていれば言語に代わる図像で表現することができます。
文字より図像の方がより強くアピールできることもあります。

図像力が発揮できる職種
ITが発達して視覚に訴える機会が増えると次のような職種で図像力が求められます。その一部を紹介します。

・マーケティング担当者
商品やサービスをマーケットに広める仕事では、視覚に訴える広告などを制作してマーケットに展開する場合に図像力が適しています。
・データ管理部門
商品理解やマーケット理解、プロジェクト理解などはデータに基づいて管理されます。
データを理解するためには数字の羅列ではなく、視覚に訴えるように図案化することが理解しやすくなる手法です。
顧客の理解を得るためにも図案化を進めることは大切です。図像力がますます求められるようになります。