今日は、「8月納涼歌舞伎」の観劇レポートをお送りします
歌舞伎に心酔している先輩から、お誘いがあったのは先月のこと。
「毎年8月の歌舞伎座は、初心者にオススメよぉ!! 若手役者がたくさん出るし、公演時間が短くていつもの月より安いから気軽に観られるし・・・どう(=行くしかないでしょ)
」
その言葉に、思わず
「はい」
と二つ返事で答えていた私。
前回以来、
「いつかは歌舞伎座で観たい・・・」
と抱いていたささやかな野望が、早くも叶うことになりました
心待ちにして迎えた当日、歌舞伎座の前には、開演前から浴衣姿の方々がちらほら。
まさに夏の夕暮れという風情に、うっとりしたのもつかの間、
「あ、市川染五郎の奥様が・・・!」
とつぶやく先輩の視線の先を辿ると・・・和服をしゃんと着こなした超べっぴんさんが!
顔なんて申し訳程度の大きさしかない現代っ子体型、それでいて全身から漂うは、落ち着いた雰囲気と只者ではないオーラ・・・。
自然と演目への期待も高まります
さて、この日の作品は「南総里見八犬伝」。
聞いたことがあるのもそのはず、歴史の教科書にも出ている滝沢馬琴の作。
場面は、“飼い犬八房と伏姫(中村扇雀)が、山中で二人住まいをしている”ところから始まります。
そこに、犬が以前倒した敵の大将の亡霊が現れ、恨みから呪いをかけられた犬は、寝室に忍び込んで姫を襲おうとし・・・。
先輩に「歌舞伎は思わずツッコミたくなるような、とんでもないストーリーばかり」と聞いてはいましたが、話の展開の早さと意外さには、目を離すことができません!!
加えて、特筆すべきは場面の多さと豪華さ。
中には舞台が回ったり、屋根の傾斜がだんだん上がっていくしかけによって、幕が開いたまま自然に次の場面へと移っていくこともありました。
そして、やっぱりいちばん目を奪われたのは、役者さんの歌舞伎独特の動き!
実際はゆっくりとした動作であっても、不思議にも伝わってくる戦いの様子。
男性が演じているとは思えぬ、女形さんの妖艶な踊り。
舞台上の役者さんが一斉に揃って止まったときの、非常に美しい余韻など・・・。
通になると、同じ作品が役者さんによって変化する様を愉しむといいますが、まだまだそんなレベルに及ばない私は、「あれもこれも」と必死に目を追うのがやっと。
けれど最後まで本当に見ごたえがあり、とても楽しめた舞台でした!!
ちなみに歌舞伎の世界では、30歳はまだまだひよっこ、40歳過ぎてようやく脱若手と言われるそうです。本日の出演者の中には御年80歳を過ぎていらっしゃる方もいたそうで、
「インテリアコーディネーターもそうですが、歌舞伎役者とは、まさに一生続けることができる仕事だなぁ」と感じ入りました(笑)
そして早くも次回作・・・
女形さんの美しい花魁姿が見られるという「籠釣瓶花街酔醒」、3大名作と呼ばれるものの一つである“菅原伝授手習鑑”「寺子屋」など・・・
について嬉しそうに語る先輩を横目にして、
“引き返せない深い世界に、まんまと足を踏み入れてしまった”
気がしないでもない私でした・・・
★前回のキーワード解説★
A.
「垂木」とは、小屋組(屋根を支える構造体)において、棟木と母屋に直交して掛け渡され、屋根下地を受ける部材のこと。
★第10回・試験に出るキーワード★
Q.
「木造在来講法の天井」とは・・・?
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