夏の気温上昇とともに、にわか建築熱が高まってきた今日この頃。
寝苦しい夜が続きますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
さて、HIPSの先生に
「ここは一見の価値あり!」
と、教えてもらった「自由学園明日館(みょうにちかん)」。
「そんなに建築に力を入れた学校なのね・・・!?」
と、ややいぶかしく思いながらも、まずは行動あるのみ
というわけで、池袋の駅から歩いて5分
雑踏を潜り抜けて目にするは大草原の小さな家、もとい小草原の小さな建物。
本日は月に一度の貴重な自由見学デーのためか、門の前にはすでに人の列が・・・。
自由学園明日館
は、1921年、羽仁吉一・もと子夫妻が創立した自由学園の校舎として作られたそうです。そして「重要文化財建造物」にも認定されているわけは、何を隠そう(笑)、アメリカ合衆国が生んだ20世紀を代表する建築家の一人、フランク・ロイド・ライトの設計だから!!
ライトといえば、日本でも知名度が高く、旧帝国ホテルの設計者としても知られる建築家。そんな彼の手掛けた建築物のうち日本で現存しているのは、ここと兵庫・芦屋にあるヨドコウ迎賓館
のみだそう!
この日は嬉しいオプションつき、ショコタン(中川翔子)似の萌え~系なお姉さんに、見どころを解説してもらいました
では、中でも印象深かった箇所をご紹介していきます。
■窓■
ライトは限られた工費のなかで、“いかに空間を充実させるか”尽力したそう。たとえば建物全体の意匠を幾何学模様にまとめ、ホールの窓には高価なステンドグラスを使用する代わりに、木製の窓枠や桟を幾何学的に配して工費を低く抑えるなど・・・。
洗練された模様は、けしてデザインだけを重視したからではなかったんだ!というのが新鮮な驚きでした。また、中には覗くとなんだかゆがんで見えるところがあり、これは創立当時からのガラスを使用しているからだとか。
■大谷石■
ライトが好んで用いたという栃木の大谷石。衝撃にもろく酸性雨に弱いという性質を持っているため、外の石畳にはくたびれ感が出ていました。が、その一方で火に強いため、暖炉に使用された部分は今なお堅牢な印象を保っています。
■食堂家具■
食堂の椅子やテーブルは、ライトの弟子で、一部この館の設計も行った遠藤新が担当。
“おしゃれなデザインの上に、朱色もうまくポイント使いしちゃって、この~!!”
なーんて一瞬思ったのですが。実はこれまた予算の関係で、一枚板が使えず、細い板を組み合わせるデザインになったそう!
ちなみ左が当時の椅子、右がレプリカで現在使われている椅子。大きさの違いは、当時はコドモが座っていた椅子に今はオトナが腰掛けているからでしょうか?
■食堂の照明■
食堂に掲げられたV字型の吊子大きくて美しい照明。
これは、生徒の背に対して“天井が高すぎてバランスが悪い”と考えたライトが、後からこの吊子をデザインしたそうです。
外に出て改めて、少し離れたところから観てみると、本当におだやかな時が流れているという感じがします。
・・・高さを抑えて地を這うような佇まいに、前庭が広がるプレイリースタイル(草原様式)。このスタイルは彼が出身地の大草原から着想を得て生まれたといいます。
老朽化による傷みが激しくなり、1999年から約3年間にわたって保存修理工事が行なわれたのち、休日一般公開デーの設置や結婚式会場としての貸し出しなど、より市民に開かれた明日館。社内スタッフの知人もここで式を挙げ、それはそれは感動ものだったとか
“80年の歳月を経て、今なお建物として使われていることが一番、ライトの望んでいたことではないかなぁ・・・”
としみじみ感じつつ、名残惜しくも「都会の避暑地」を後にしました
↓↓↓宜しくお願いします☆
人気blogランキングへ
↓↓↓こちらも、宜しくお願いします☆