今回は、東京都庭園美術館の建築について
“皇族のおすまいが、時を経て美術館として生まれ変わった”ことは、前回でも触れたとおり。
東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)正面外観
最初にこの美術館を訪れたときの私が思ったのは、
「何とも荘厳で、日本離れした内装だなぁ・・・」
初めて連れていかれた親戚の家が、あまりにも広く、迷路のようで、もの珍しさに探検心がうずいた幼い頃。この館に足を踏み入れたとたん、あの時の記憶が一瞬鮮やかによみがえりました。
1925年にパリで「アール・デコ様式」と出会い、多大な影響を受けた朝香宮ご夫妻。ご夫妻は帰国後、“日本人が設計した建築”という器に対し、アンリ・ラパン、ルネ・ラリックらフランス人デザイナーに内装を依頼しました。その渾身の日仏合作がここ「旧朝香宮邸」、もとい「庭園美術館」なのです。
入り口にはラリックが手掛けたガラスレリーフ扉が設置され、崇高な女性像が浮かび上がります。
正面玄関 ガラスレリーフ扉(ルネ・ラリック作)女性像部分アップ
そして中に入ると、まず、天井がとっても高い。
1階部分はもともと大食堂や大広間だったらしく、内装には大理石などが用いられ、重厚さがありながらも、圧迫感は感じさせません。
(上)旧大客室(内装 アンリ・ラパン)
(下)小食堂(設計:宮内省内匠寮)
そして2階部分に上がり、まず目についたのが書庫部屋。
部屋の左右に本棚が据え置かれ、しかも上の方まで梯子(手動で左右にスライドできる!)で登って取りに行くスタイル。
“おぉ、ここはプチライブラリーか??”
と思いつつ、隣に移動すると・・・そこは、
殿下の部屋!!
殿下書斎(内装 アンリ・ラパン)
ひとめで分かる質のよい木の机と椅子などが配され、まさに「高貴な方にふさわしい」つくりとなっています。しかも、部屋に足を踏み入れたとたん、目の前がぱっと明るくなったのです。天井が丸くドーム型になっているため、光を柔らかく反射するからでしょうか。
どんな男性でも、この部屋の中では2割増で魅力的に見えるのは間違いない!! そう、
「サッカーコート の中ではかっこよく見える男子」
と同じ法則ですね(笑)
もう一つ、驚いた部屋がありました。
モダン、広い、そしてここも天井が高い!
いいんです、とっても。しかし、ここは・・・浴室。
“殿下は湯ざめされなかったのかしらん・・・”と、余計な心配をしちゃいました(笑)
このように普段見慣れない仕様の内装・インテリアを目にすることができ、毎回企画される展覧会もおもしろいものばかり。庭園も含めて一度に3粒味わえる、オイシイ美術館
なお、次回は7月8日(土)から「旧朝香宮邸のアール・デコ―小客室新規公開」展が開催されるそう。本展はこれまで非公開であった1階「小客室」の改修工事完了に伴って企画されたもので、あわせてラリックの香水瓶や、旧朝香宮家・旧北白川宮家にゆかりのあるボンボニエール(キャンディーボックス)などが出品されます♪
また、会期中は特別限定企画として(制約はありますが)、館内での写真撮影ができたり、“夜の庭園美術館で香りを愉しむ”という、興味深いイベントが続々と計画されているそうですよ
これはまた、忙しい夏になりそうです!!
■旧朝香宮邸のアール・デコ―小客室新規公開 展
会 期:2006年7月8日(土)~10月1日(日)
休 館 日:第2・第4水曜日
開館時間:午前10時~午後6時(入場は5時半まで)
入 場 料:一般 800円
大学生[専修・各種学校を含む]640円
高校生および65歳以上 400円
*その他各種割引制度あり、詳しくはお問合せください
会 場:東京都庭園美術館
東京都港区白金台5-21-9
(TEL)03-3443-0201 (テレホンサービス)03-3443-8500
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