40代後半、女、独身、フリーランス。

10年(トータル20年)ぶりに

実家で両親と暮らす

去年あたりから、母がやたらと「コレステロール高いって言われたの」「塩分と糖質、あんまり取ったらダメみたい」と口にしていたのだが、私としては日頃の食事にはまったく関わっていなかったから「気をつけないとね」と言う程度のものだった。

だが、同居を始めてすぐ、そりゃお医者さんに言われるわな、と思った。

なにせ、甘いものや果物が大好きな母である。そして、根がズボラだ。

朝ごはん
お味噌汁の横にあんぱんがある。
私「母さん、お味噌汁と合わなくない?」
母「だって、賞味期限が今日までだから」
私「あとで食べればいいんじゃないの? お味噌汁だよ」
母「大丈夫! お味噌汁も飲むよ!」

晩ごはん
食卓におはぎとリンゴがある。
私「母さん、それ(特におはぎ)今食べるの?」
母「うん」
私「今食べないといけないヤツ?」
母「だって、ずっと冷蔵庫に入ったままだったから」
・・・買ってきて、冷蔵庫に入れたままにしているのは自分だ。
私「今食べないといけないヤツ?(再び)」
母「大丈夫! 他のおかずも食べるよ!」

料理の組み合わせなんて母には関係ない。
そもそも、その感覚がないのかもしれない。

冷蔵庫には大好きな果物常備。
「果糖も糖」
私の友人が教えてくれた大好きな言葉だ。
姪っ子に「KATOもTOて書いて壁に貼って」とお願いした。

果物を出してきたら「今食べるの?」と毎回聞いた。
買い物に付き合った時、カゴに和菓子を入れようとしたら「それ、買うの?」と毎回聞いた。

塩分
お味噌汁でもお澄ましでも煮物でも、何でもかんでもお取り寄せの「◯◯の出汁」を使い、食べ終わるまでずっと鍋に入れて出し切っていた。
母さん、表示を見てごらん。出汁って言うけど味をつけている出汁的スープなんだよ。そこに、何も考えずに塩や醤油を加えていた。
今、出汁を使う料理はすべて、イリコやカツオの出汁に変えている。


1か月経過。
今、冷蔵庫に甘いものや果物はほぼ入っていない。

検査の日。
帰宅した母が検査データを見せてきた。
「お母さん! 塩分の数値のところ、半分やん!!」
「お母さん! 悪玉コレステロールが基準値の範囲内になったやん!!」
「糖質のとこ、先生がOK!て書いてるやん!!」
糖質、前回は先生が赤ペンで「果物食べすぎ!」と書いていたから急成長だ。

やったらやっただけ、数値に表れる。

母「うん、だって私も気をつけたもん!」「最近あんまり甘いもの食べたいと思わなくてなってさぁ」「外食するとしょっぱいなーって思うんよ!」

なぜにドヤ顔?
でも結果オーライ。

味を確かめる前に醤油やタレをジャブジャブかけていた父も、今では明らかにその量が減ってきている。
出された出汁を「おいしい」と言って最後まで飲み干す両親、爆誕した。

二人していつも「血圧高いもんねぇ」と言っていた。聞くたびに「そりゃそーでしょ」とあきれ、時には腹も立っていたが、今では二人仲良く血圧を計りながら「うん、正常!」「ご立派!」と称え合っている。

ゴマは毎朝のサラダにかけていたが、炒ってから擂ったゴマに変えたら姉が「これ、おいしい!」と言い、今までアホみたいにかけていたドレッシングやマヨの量が少しだけ減った。

食育は大事。
子どもだけじゃないんだね笑

おわり