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森之助がいく  vol.282

『 プリズンホテル  Ⅰ~Ⅳ 』

抱腹絶島のホテルの話だ。ヤクザの
大親分がオーナーを務める、任侠団体
専用の温泉リゾートホテルである
「奥湯元あじさいホテル」通称、

「プリズンホテル」(浅田 次郎)。

そうとは知らずに配属になった熱血
支配人、そうとは知らずに宿泊に来た
老夫婦、そうとは知らずにやって来た
心中志願の一家...

巻き込まれ方が自然だからこそ、
爆笑の場面が次から次へと繰り出される。

副支配人を務める木戸組の黒田が、
宿泊客で来ている、系列の大曽根一家
の面々に言うセリフ。

「おいてめえら。こちらが今度、うちの
オヤジさんの肝煎りでホテルを仕切る
ことになった支配人さんだ。挨拶しと
けよ」

そして、唖然とする支配人... 

この場面を想像するだけで笑いが
止まらない^ ^。

普段はタガログ語を話している、
フィリピン人の番頭や中居さんたち
という、脇を固める設定も悪くない。

一泊二食ソフト付きという、この
ホテルにはソフトボールのグランド
があり、宿泊客とホテルのスタッフとで、
宿泊の翌朝は試合をするという趣向も
イカしている。

(ソフトボールは、ムショで囚人たち
の楽しみの一つだ)

とんでもないホテルで宿泊客は、さぞや
大変だろうと思いきや、

実はこのホテルが疲れを癒し、心から
くつろげる、最高の場所だということ
が、笑いと共に読み進むうちに
わかってくる。

もてなしの心とは何か。たとえ粗暴
で非常識に映っても、それぞれの
真心が同じ方向を向いていれば、
それは伝わるものなのだ。

心がないところにハードウエアや
ソフトウエアをどんなに駆使しても、
真の感動は生まれない。

かつてバーを営んだことがある僕だが、
なるほどなあと、ところどころで、
頷かされた。

自分が宿泊した気分になれる。

心にドカンとくる、この旅の記憶、
大事にしておきたいものだ。