森之助がいく vol.22
『条件反射』
何年か前、縁があって、ボランティ
『条件反射』
何年か前、縁があって、ボランティ
アで小学校4年生の児童たちに1年間
、週に1度、勉強を教えていたこと
がある。
大阪のある田舎のほうで、児童館を
借りて、そこに地域の児童を集め、
土曜日の午前中、算数を教えるのだ。
全部で20名ぐらい。やってみると、
子供たちのパワーがスゴい。元気
で声がデカい。
で声がデカい。
真面目な生徒もいたが、中には授業
中に、叱ってもすぐに復活して悪ふ
ざけをするゾンビみたいな奴もいた。
なのに、説明しながら、じゃあこの
問題わかる人、手を挙げて、と言う
と、誰も手を揚げない。聞くと、間違
えると恥ずかしいから、と言う。
あー、自分もそうだったなあ。今も、
子供たちは間違えることが、恥ずかし
いと思う教育を受けているのか...
僕は一案を講じた。そして次の授業
で、子供らに提案した。これからは、
わからない人だけ手を挙げてくれる?
手を挙げていない人にあてるからね
と。
そして、授業中に、はい、この問題、
わからない人~、と聞くと、悪ガキ
軍団を始め、あてられるのがイヤな
子供は、一斉に勢いよく手を挙げた。
そんなときに、タイミングよろしく、
授業模様を定期的に撮影するカメラ
係の人が写真を撮りに来た。
係の人が写真を撮りに来た。
もちろん彼は実情を知らない。おー、
こんなに生徒がやる気になっている
授業は、初めて見たと、感心して、
写真をパシャパシャ撮っていった。
この話の後日談 ...
1ヶ月ぐらいして、その日の授業で
僕は言った。じゃあ、今度からは元に
戻すから、わかる人だけ手を挙げてね
、と。
授業中、はい、わかる人~ときくと、
今度は、わかる子供たちは手を挙げ
た。最初の誰も手を挙げなかったの
が、ウソみたいだ。
要は習慣の問題である。
時にかたちから入って、中身が追い
つくことがある。
連中に将来の希望やなりたいものを
書いてもらった色紙は、今も机の引
き出しにしまってある。