『トレイン』(森之助16) | hippocket33のブログ

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森之助がいく  vol.16

『トレイン』

若い連中を教えていて、彼ら彼女らに
触発されるというのは、よくある話だ

JRのダイヤ改正があった時、ある
教え子のことを思い出した。

「トレイン」だ。

「トレイン」というのは、あだ名で
ある。ちょっと、ずんぐりむっくりし
た、イガグリ頭の、見るからに温厚
そうな、奴と出会ったのは、もう10年
ぐらい前、奴が高1の時だった。

世間でいう、鉄ちゃんというやつで、
奴は大の鉄道マニアだった。それで僕
は奴を「トレイン」と呼ぶことに
した。

奴は恐ろしく英語ができない。あまり
に出来が悪いので、僕は授業後、立ち
話で、トレインに、志望大学はどこへ
行きたいのか、尋ねた。

奴は、それはそれは爽やかに
「いえ、僕は大学には行きません^ ^」
と答えた。

驚いた僕が理由を尋ねると、彼は、
電車の運転士になりたいんです。運転
士はキャリアだとできないから(だそ
うだ)、と爽やかに答えた。

でもよ~、と僕。狭き門だし、不採用
だった時に備えて、大学は目指した
ほうがいいんじゃないか、と言うと、

またしても、それはそれは爽やかに、
奴は言った。

「その時は、先輩が飛行機を洗浄する
会社にいて、そこに誘われているの
で、そっちに行きます^ ^」...   

しっかりとした目標がある人間は、
若者であれ、おっさんであれ、ホント
に強い。1年間授業をして最後に、奴
から、ありがとうと書かれた手紙を
もらった。

もうずいぶん前の話だ。

トレイン、お前は無事、念願の運転士
になったか?もしかしたら俺は、お前
が運転してる電車に乗っているのか 
? 

俺もまだ道は長いが、グレイトティー
チャー目指してるからよ~^ ^。

いつか奴に会ってみたいものだ。