About a dream
夢を見た。
それはもう終わってしまった過去の夢……。
久しぶりに夢の中に彼女があらわれた。ホントーに綺麗だよなー、何だか目が痛くなるような、強くて凛とした美しさ……。ただ、少しでたらめなだけで(笑)
僕は夢の中で、いつもの様に“復讐”活動に精を出していた。えっ?何に対する復讐かって?そんなこと聞かないで、すぐに説明出来る様な話じゃないし、ソレは現実なんだしね。とにかく、髪の毛をまとめて、ぴかぴかになるまで研いだ、とっておきのコンバットナイフをダークスーツの下に隠し持って、勿論、僕のメインウェポン“トカレフ”も腰に装着してある。
そんな格好で僕は走り廻っているんだ。
ここは見覚えのある場所……。目の前はちょっとした崖になってて、その上には住宅街が広がってる。
僕のいる崖の下には民家はまばらにしか、ない。
僕は崖の上に行かなくちゃいけない。って言ってもそれが何故だかは分かんない。何となくそう思ったってだけのこと、だって夢だもん(笑)
ただ思ったんだ。この上に用があるってね。何にしてもソコに続く道は二つしかない。崖をのぼるか、一本しかない坂道を駆け上がるか、なんだけどぉ……
坂にはきっと敵が大勢いるだろうしね。まぁ、崖といってもさ、そんなに直角でもないんだけれどね。一応、木も生えているし、何かこう林がななめになってる感じなんだ。
身を隠すにはもってこいだねっ。敵の数も不明なんだしさ。
でも、きっと沢山いる。いつもそうなんだから……。しかも強いと思うんだ。やつらはきっといつもの様に鉄パイプやら木刀やら、ナイフやら、たちの悪いのになると銃器持ってるのもいる。こまるよね……。
僕、持ってるのはナイフと腰に差したトカレフ。しかもいつも安物の中国製……。黒星ってやつ?弾は弾装にあるだけ。でも、まわりには民家もある。銃声がしたら通報されちゃう。それってまずくない?
あーあ、そんな状況なのにあの娘は一人ですたすたと先に行っちゃうし。たぶん崖の上か途中で待っててくれるとは思うのだけれど。んもぉぉぉ。
なんであの娘は敵の真っ只中っていうのに平気で歩いて行けるんだよぉ。ぶわっかやろぉぉ。
僕、ちょっと落ち着かんとね。こうふんしてる……。
ポケットから煙草を出してみた。パッケージを見る。ラッキーストライク。大好きなのは、あの娘。あの娘と同じ銘柄。
しゅぼっとライターで火をつける。ぷはぁーと煙を吐き出す。うまーいとか何とか言おうと思ったけど。味がないんだよねー。何でだろ?
夢だからかなー。まぁ格好だけでもっと思ってすぱすぱ吹かしてみた。
やべっ。空が白んできたぞ。夜が明けちまう。僕は坂を駆け上がった。あの娘は崖を跳んで上がってたけど、僕にはそんな体力はない。煙草も投げ捨ててやった。
火大丈夫かなー? って少し思ったけど、すぐに忘れちゃった。どーでもいーんだ、そんなことはさ……。
坂に向かってダッシュ。あーあ、案の上だよ、敵がいたよ。しかも二人……。
うーっっ。
僕はあの娘みたいにスマートには敵を殺せないんだよなぁ。
なーんて思いながら、向かってくる奴の首に向かってナイフを逆手に持ち、斬り上げた。バクゥっていう変な音がして血が飛び散った。バックステップを踏み、血がかからないように跳んだ。
やった! 一撃で殺せたかもしれない。それは手足をバタバタさせて……。しばらくすると停止。後は静止? もう永遠に動かない、人形? あはっ。
僕はもう一人に向き直る。そいつは、目の前で殺された仲間を見て、腰ぬかすほど驚いてる。覚悟がないならこなきゃいいのに……。
