地域内分権 | 日小田良二オフィシャルブログ Powered by Ameba

地域内分権

先般、行政視察を行いましたので報告します。今回の視察は、①地域内分権の調査として群馬県高崎市の「地域活動推進補助事業」についてと、②事務事業評価の導入に関する調査として長野県飯田市の「行政評価」について、調査を行いました。


今日は、高崎市の調査について報告します。高崎市では、平成18年度から「地域活動推進補助事業」を行っています。この事業の概要は、小学校区を単位に「地域まちづくり推進事業補助金」と「地域体育振興補助金」を交付しています。


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平成23年度からは、一小学校区40万円から70万円の範囲で世帯数に応じて算定した額を、地域づくり活動協議会が主催する活動に限定して交付するように統一した新制度に移行しています。


いま、直面している課題として、①区長会が中心的な役割を担っていることから、他の組織のかかわりが薄い ②補助金制度であるがゆえ、手続きの煩雑さや使途の制約等があり不満が寄せられている ③施策展開において行政組織の縦割りについての位置づけの明確化が必要、などの問題があると言われていました。


今後の取り組みの方向として、①58協議会の温度差の是正、リーダー研修の強化 ②補助制度から一括交付金制度への移行 ③支出の適正化を図るための制度の統合化 ④地区公民館の整備と拠点施設としての役割の明確化 ⑤地域の課題を地域住民自らで考え、解決していくという目指す方向の確立が必要、などが挙げられていました。


視察の所見として、高崎市の場合、地方分権の進展に伴う権限や財源移譲とは違った取り組みとなっていました。地域の活性化を目指す方向の事業として位置づけられており、これまで試行錯誤をしながらいまのシステムに到達したものでした。


しかし、地域内分権と同様に地域の受け皿の問題では、共通な課題として認識できました。受け皿としての区長会との関係がうまくできてないところに、この事業の難しさを感じました。地域内分権の最大の課題は、受け皿づくりと推進システムの構築であると考えています。