防災・災害対策 No2 | 日小田良二オフィシャルブログ Powered by Ameba

防災・災害対策 No2

昨日に続き、今日は仙台市の視察結果を報告します。まずビックリしたのは、平成23年度から27年度までの僅か5年間で復旧・復興を目指す計画を策定しているということでした。


並々ならぬ決意が伝わってきました。今回の震災における総括として、①複合的な被害と課題②エネルギー供給のあり方への警鐘③「自助」、「自立」と「絆」、「協働」の拡大④東北の復興への始動を挙げており、復興に向けては①減災を基本とする防災の再構築②エネルギー課題等への対応③自助・自立と協働・支え合いによる復興④東北復興の力となる経済・都市活力の創造の4つの方向性と被災された方々の生活再建が挙げられていました。


今回の視察は、エネルギーの拠点でもある「仙台市ガス局港工場」と下水道の中核施設でもある「南蒲生浄化センター」を視察しました。


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              ガス工場港工場


ガス工場の被害状況は、①製造設備のほぼ全てが浸水、電動機類や操作盤が使用不能に、②LNG出荷設備では装置と管理棟が流失③電気設備は使用不能④建物はコントロール棟は津波が流入、執務室は損壊、係留設備は使用不能⑤護岸は法面の崩壊⑥構内道路は地盤沈下による段差や陥没が発生といった具合で甚大な被害を出していました。


しかし、現在では、被災状況が所々で見られるぐらいで、1年間の復旧作業で奇跡的な回復が図られていました。特に驚いたのは、船の係留施設が不能のなか、どうやってガスを運んでくることが出来たのかが不思議でした。


聞いてみると、船ではなく、新潟からのパイプラインでガスを供給したそうです。海と陸からの体制整備を図っていたことが功を称したと言っていました。


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             南蒲生浄化センター

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             被災を受けた施設
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             被災で壁ごと曲がった建屋

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           沿岸部に点在する瓦礫置き場


南蒲生浄化センターでは、今も生々しい傷跡がたくさん残っていました。上の写真のように、建物の多くは被害を受けており、海側に面したところはコンクリートの壁が見るも無残に湾曲したり、建屋が完全に崩壊している様子が見れます。


被災時にテレビで仙台市内の映像が繰り返し流されていましたが、その映像が、この浄化センターだと聞きびっくりしました。しかも、撮影したのは、ここの職員で命からがら撮ったそうです。


1年たった現在では、仮復旧の中で稼働させているそうです。これまでの経過を聞いてみると震災後、すぐに復旧作業を開始し、まずは塩素消毒、次亜塩素酸ソーダによる消毒、仮設遠心脱水機を組立、汚泥引き抜き、汚泥の貯留、汚泥の貯留施設の造成、汚泥のアンモニアの封じ込め、搬出というところから始めたそうです。


次に受電棟工事、管理棟工事へと移行し、最大の難関でもある汚水処理を手掛けることができたのは、昨年の9月からでした。簡易処理のため、水質汚濁防止法をクリアできる状態までに時間がかかったそうです。


今年に入ってからは、1000Kwhの発電機とブロア装置設置したことで、接触酸化法の運転を開始し、そして3月末には、汚泥投入焼却試験運転を開始することができたそうです。


大変な苦労の連続がすべて記録されており、今後の災害に大いに役立つものと思われます。これから私たちは、議会として市長に提言していきますが、今回の視察で時下にいろんなことが学べたことは大変意義深いものがあったと考えます。