名古屋線系統で活躍する3両固定車にはB更新を受けていない古参車がまだ残っており、1010系のT11もそれに該当しますが同編成はワンマン運転にも対応していないため名古屋線の準急と普通が主な活躍の場になっており、支線では原則として見ることが出来ません。非ワンマンの1010系は他にT14がいましたが両先頭車は廃車され、中間車のみB更新とワンマン対応工事を受けて車番をモ1066に改番し現役です。


(2019.11.2 富吉〜近鉄蟹江間にて撮影)

 準急運用に入るT11です。この編成の名古屋方先頭はゾロ目の1111で、名古屋線を走る車両では唯一のゾロ目なので貴重な存在ですが先に書いたようにB更新を受けていないためいつ廃車になってもおかしくなく、代替車が来ないため延命して使い続けているのがわかります。


(2019.11.2 富吉〜近鉄蟹江間にて撮影)

 1010系は名古屋線生え抜きではなく京都・橿原線系統からの転入車であるため8000系列と同じ幅広車体を採用しており、田原本線で活躍する8400系を思わせるひし形パンタの3両編成は名古屋線では異端児です。京都・橿原線系統時代は920系を名乗っていましたが当初は吊り掛け駆動の非冷房車で、後に冷房改造と新性能化工事を受けて界磁位相制御になり回生ブレーキが使えるようになりました。ただ抑速制動は備えていないので連続急勾配区間の通過は回送等の非営業列車に限られますが。