現在はカラフルなラッピングを施した5500系リノベーション車が活躍する武庫川線ですが2020年6月2日(火)までは赤胴車の7861・7961形と7890・7990形が活躍しており、新型コロナウイルスの影響もあって置き換えが少し遅れたものの最終日も通常通り運行して長い歴史に幕を下ろしました。7861・7961形は令和時代、そして2020年代まで残った阪神最後の片開き扉車でしたが同形の引退で阪神の片開き扉車は全廃になり、こちらも長い歴史に幕を降ろしました。

 

(2020.1.4 東鳴尾~洲先間にて撮影)

 

 武庫川線は阪神電車で唯一の全線単線の路線であり、最高速度45km/hでのんびり走る路線でもありましたが日中は1編成が行ったり来たりするだけのピストン運行であり、片開き扉の7861・7961形が確実に充当されるわけではなかったので撮影出来たのはラッキーでした。急行系車両とされる赤胴車が2両でのんびり走る姿はイレギュラーな感じで面白かったのですが1980年代前半の洲先折り返しだった頃は3301形が単行で走っており、大手私鉄では非常に珍しい単行の電車が行ったり来たりする路線になっていました。

 

(2020.1.4 洲先~東鳴尾間にて撮影)

 

 晩年の7861・7961形は前面に「“たいせつ”がギュッと。 阪神電車」のマークが貼られ、前照灯もLEDライト化されていましたが最後まで赤胴車の塗装を維持してくれたのは嬉しく、無事5500系にバトンを渡すことが出来たので良かったです。片開き扉にズラッと並んだ屋根上の分散クーラー、そしてバンドン式の連結器と阪神電車らしい姿を2020年代まで維持したのは凄いことですがその中でもバンドン式連結器は阪神電車にだけ残っていたもので、赤胴車の引退により営業用車両でこの連結器を備えた編成は姿を消しました。