名古屋線の普通や準急で主に活躍する1000系は抑速制動を持たない3両固定車で、五位堂検修車庫での定期検査時を除いて大阪線に入ることはありませんが所属基地の明星検車区が山田線内にあるため車庫への出入り等で同線はいつでも走行し、斎宮付近で狙うことも可能です。現存する編成は全て標準塗装ですが以前はT07に名泗コンサルタントの全面ラッピングを施していたことがあり、その時は非常に目立つ存在になっていました。

(2022.1.6 富吉〜近鉄蟹江間にて撮影)

 普通運用に入る1000系T06です。同系は当初旧型車(2200系)の機器を一部流用した吊り掛け駆動車として造られ、後年WNドライブ化されて新性能車になりましたが1010系とは異なり先に冷房改造のみ行い後から新性能化したため一時期吊り掛け車で冷房付きという名鉄3300系(2代)や東武5000系列のような形態が見られました。また初めから冷房車として造られ、1200系(初代)を名乗った車両もいましたが既に廃車されており、現存する車両は全て冷房改造車です。
 

(2022.1.6 富吉〜近鉄蟹江間にて撮影)

 1000系は新性能化の際に制御方式を抵抗制御から界磁位相制御に変更し、2両ユニット化されましたが同時に回生制動が追加され、電気制動を持つ車両になりました。パンタグラフは伊勢方先頭のモ1000形に2基搭載し、全編成ひし形であるため昭和の近鉄電車らしさを感じられますが抑速制動を持たないことと車齢が高いことから2024年度以降に順次導入される予定の新型車両への置き換えは避けられないと見ており、撮影及び乗車は今のうちにしておいた方が良いです。ただ名古屋線は2000年代に入ってから一般車の新車が全く入っておらず、更に3両固定車は近鉄全体でも35年以上造られていないことから新車の直接投入ではなく他線区からの転用になりそうですが。