続きです。

義母の名前が呼ばれました。

先生「はい、こんにちは。

どうですか?どこか痛いところとか、具合の悪いところありますか?」

義母「いえ、ありません。」

先生「いまは血圧の薬も無くなったのね、

しかし、こんなに変わるってどういうことなんだろう。

先ほど測ったのも109/70だったんですよ。」

私「それまで、一人暮らしで、買ったものか、外食だったもので、

あと、病院が苦手で、最初の頃測ったとき、血圧が上がってたのかな‥とか‥。」

先生「それにしても‥。まあ、これが脳の画像ですけど、

前頭葉、側頭葉、海馬、それぞれ萎縮はしてますけど、年齢からみれば軽度だと思います。

1年前から比べて萎縮の程度はほとんど変わりないです。

そしてこれが検査の結果ですけどね。」

と先生は私に義母の描いた立方体を見せてくれました。

私「ああ、じゅうぶん描けてる‥。」

先生「いや、描けていませんよ、線が平行になっていないから、

サイコロ状になっていないでしょ。」

確かに描けているけど、歪んだ立方体です。

先生「この程度なら、まだ家から出て戻って来れるというところだと思いますよ。」

立方体を描いてもらうのは視空間認識、
構成行為などをみるためだとは読んだことがあって、

これが描けなくなってくると、道に迷ってしまうと聞いたことがあります。

先生「そしてこれが時計を描いてもらったのですが。」

見せてもらった時計は丸はちゃんとかけていますが、

1番上に12があるのは間違っていませんが、

12、1、10、9、8、7、6、5、4

3、2、ここは空白、そして上の12に戻るという配置になっていました。

つまりは、12から始まって、1、まではあっているけど、次から10からカウントダウンする感じです。

11時がありません。

上に鉛筆で看護師の方が10時45分

とかいてくれていますが、

時計の針は短針が1、長針が6になっていて、1時半になっています。

先生は私の方をみて、うなづく感じで、

義母はその時計の絵を見られて、あぁ、見せないで‥という感じででしたが、

先生は次にこれが、結果ですと、
長谷川式の結果のコピーをくれました。

前回は口頭だったのでありがたいです。

お歳はいくつですか?         83◯

今日は何年の何月何日何曜日ですか?

1985年 11月14日  月曜日

(2018年11月17日土曜日)

なので、11月だけ◯


これからいう3つの言葉を言ってみて下さい。

 3つ全部言えました。

100から7を引いてください。

93◯

それから7を引くと?

85×

私がこれから言う数字を逆から言ってください。

6ー8ー2    ◯

3ー5ー2ー9×

先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみて下さい。

全部言えました。

これから5つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言って下さい。

1つ思いだせなかった。

知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。

キャベツ、大根、白菜、春菊、レタス

と5つ言えたけれど、

0から5個は0点でした。

合計19点とかいてありましたが

今計算をしたら18点でした。おまけしてくれたのでしょうか。

その場で気がつけばよかったけど。

そして、先生はおもむろに義母に向かって、

先生「あなたは認知症なんですよ。

今は80才から85才までの人で3人に1人は認知症、

それ以上の人は2人に1人が認知症なんです。」

義母「歳いったからでないんですか?」

先生「あなただけじゃないんですよ。」

私「あの‥、ほかの家族‥実子のひとに病状を理解してもらうのに、

書面で病状説明をいただいたらとケアマネージャーさんからアドバイスいただいたんですが‥。」

先生「書面、必要ですか?

来ていただいたらいつでも説明しますよ。」


私「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

いつも、はいはい、わかりました。とか

横から自分も無理矢理参加する義母ですが、

今回は始終黙っていました。

先生は義母に病名の告知をした‥。

(忘れるだろうけれど‥。)

義母の発言から自分の物忘れは年のせいと思っていたんだなと思いました。

先生は始終笑顔でニコニコしていたので、

内容はええっという内容でしたが、

雰囲気は柔らかな面談でした。

その後、会計終わって3人でラーメンを食べに行きましたが、

義母は心なしか、いつものしっかり見せよう、負けられない!というオーラはあまり感じられず‥。

家に帰って夫に報告しました。

時計の絵をみて、吐き捨てるように

「悪くなってるじゃないか!」

と。でも他はほぼ変わりなしなんだから。

そして私は先生の言葉を言いました。

「お義母さんの病状を実子がなかなか受容できないから、

書面でお願いしますっていったけど、

それならいつでも説明するから来てくださいって、

人まかせにしてるんじゃないよってことじゃない?」

夫は黙りました。

3人の実子のうち誰一人として付き添わず、そして、良くなったんじゃない?

とか、薬を飲ませなかったり、

よくとれば先生は誰一人として実子は自分の親のことなのに付き添いもせずに、

なにも聞くこともなく、説明文もらってこいということがおかしい。と思って、

私の立場にたって、書面を出さない、直に聞きに来なさいといってくれて、

義母自身に認知症の告知をしたのかもしれません。

前回の受診でも、診察室で座るなり、

「どっこも悪いとこないんですよぉ!」

と先生に言った義母。

その様子を見た先生は何か読み取った感じだったし。

付き添ってきたのが実子だったらここまで言わなかったかも。

嫁が一人付き添ってきて、病状を書面で出してくれと言わねばならない、背後の事情(実子が信じてくれない、理解しようとしない)を読み取ってくれたと私は思いたいです。

病院にいくのに、一年分の義母の様子を書いたりして、寝る時間が遅くなったりしたんだよ、とこれも後で夫に言っておこう。

今回は車だったけど、バスでいくのに、乗り換えするのか、歩いていくのか、

雨だったらタクシーかとかも段取りを考えて‥たいへんだった。

今度はしっかり話して予定を組もう、聞いてない!とかないように。