俺の童貞捨てた初体験を書いてたら意外に泣けた件③
初体験をなんとか無事に終えた俺は、服を着て仰向けでタバコを咥えて宙を見てました
りの『ねえ、どうだった?正直』
ウ『うん、普通だった』
りの『えーそんなあ。で、でもウタくんにとっては初体験があたしってのは一生覚えてるよね』
ウ『いや明日には忘れとる、男なんてそんなもんじゃろ』
と当時は思っとったんじゃけど今だにちゃんと覚えてるのは何故だろう
顔も身体も声も感覚までも覚えとる
りのは突然驚いた顔して時計を見ました
りの『え、もう0時すぎてる。誕生日じゃんお祝いしなきゃ』
ウ『ええよ別に今までも特に祝われてこなかったし、お前が気にする事じゃないし』
りの『ダメだってそうゆうのはちゃんとしないと、ちょっとコンビニでケーキ買ってくる』
りのはそう言って部屋を飛び出しました
誕生日にケーキなんて用意されてる事あったかな?
記憶にねえなあ、ウチはドライな家庭だったんで金だけテーブルにポツンと置いてあるのが普通だった
まあこれで自分の好きなもん買えよって意味なんだろうけど、それが寂しいとか悲しいとも思った事がなかった
たぶん今日も帰ったらテーブルの上に5000円札でも置いてあんじゃね?大丈夫それがいつもの事だから俺にとっては
10分後りのが帰ってきた
りの『ごめーん、ショートケーキもなくてレアチーズケーキしかなかった』
ウ『じゃけえ、ケーキいらんて。でもまああれだ、ありがとう』
りの『えーーーキミありがとうって言えるの、嬉しい』
はあ?俺をなんだと思ってんの、広島では4545番目に爽やか少年boyだぞ?
ウ『うるさ、じゃあさっさ食ったら帰るわ』
りの『待って、はっぴばぁーすでいとぅーゆーはっぴばぁー』
ウ『ちょお前音痴すぎん?歌教えたろうか』
りの『え、教えて。こないだの初ライブめっちゃ良かったし』
ウ『え、ライブハウスおったんじゃあの日』
俺が初めて観客の前にバンドのヴォーカリストとして初めて立って歌ったのが小6だった。
ほんとはね年齢的に無理なんだけど当時は緩かったのとそこのオーナーと知り合いだったってのもあって小学生でも100人のオーディエンスの前に立てた
りの『あれ見て惚れてシンくんにキミと逢わせてってずっと言ってたの』
ウ『あーそうゆう裏か、まあケーキも半分食ったし帰るわ俺』
りの『はや、つめた、初めての女なのに。ねえまた逢えるかな?』
ウ『初めてねえ。まあいつか逢えたら』
りの『絶対逢わないやつだーそれ。最後にお願いがあるの』
ウ『なんか嫌な予感』
りの『思い出にキスしようよ、SEX中も全くしてくんなかったし』
女かっ!ってああ女か。。
ウ『そうゆうのはほんまに好きな男とやったんがええよ』
なんか俺は女みたいな感情もあるのかもしれない、よくさ風俗嬢とかでもさ本番するけどキスだけはしないとかあるやん?
あれと似た感覚が俺にもあったのかもしれない
りの『キミなんでそんな大人なの、中身おっさんかよ』
ウ『俺のガキの頃からのあだ名は若年寄りじゃ』
りの『ぷはははは、ありがとねなんか』
ウ『は?なんでお前がお礼を言うんや』
りの『確かに、なんでやろ』
ウ『変な女、でもありがとな』
りのは黙って首をコクリとさせ頷きました
俺はそう言い残してりのの家から出て自分んちへと歩き出した
歩いてる最中ちょっぴり大人になれた気がした12の夜
深夜1時過ぎ家に帰った、俺の予想ではテーブルに五千円かワン諭吉とみた、頼むぜ諭吉カメン
誰もいない真っ暗な部屋に電気をつけたら食卓の上に大きな箱が置いてありました
ウ『ワッツ?なんやこれ、俺の諭吉は?』
リボンを解いて箱を開けたらワンホールのデカいケーキだった、しかも俺の嫌いなイチゴのやつ
ご丁寧に12本のロウソクまで刺さっててさ
馬鹿じゃねえ、どんな風の吹き回しだよ
ケーキじゃなくて諭吉でいいんだよ俺は‥
気がついたら無意識目から水滴がこぼれ落ちてた
やるなら詰めが甘えんだよ、俺はイチゴのよりチョコレートケーキの方が好きだ
柄にもない事やんじゃねえよ
その後赤子のようにわあんわあんと泣いたのを覚えてる
これが俺の初体験とついでについてきた誕生日
男の初体験なんて一瞬で忘れるもんだって思ってたがこれだけしっかりと覚えてるって事は
それなりのいい女とやればちゃんと男も覚えてるって事だ
りのとは一回きりでその後逢ってもないが感謝の気持ちは持ってる
ありがとうな、こんな俺をって
あなたは初体験覚えてますか?そしてそれは幸せなモノでしたか?
あでゆ