親愛なるあんたへ | 落書帳

親愛なるあんたへ

『お前は中坊の癖して年上にタメ口きくしクソ生意気じゃけど、俺はそんなお前が嫌いじゃないで。俺と一緒にこいよ』



そうやって手を差し伸べてきたあんたを俺は一生忘れない



ウ『オイ、たかが年が何個か上じゃけえって先輩ヅラすんなよ、しばくぞ』



『ほんまにお前は素直じゃないのぉ、俺の仲間に紹介したるからケツ乗れよ』




初めてだったからさ、先輩というもんに優しくされたのは。どうしていいか分からなかったけど俺は気づいたらあんたの単車のケツに乗っとった



あの時のあんたの愛車のマフラー音今でも覚えてる



深夜0時


とある公園脇のガードレールで足を止める



あんたが大好きだったショートホープを供える


年に一度の恒例行事


あれから何年だ?なんて真剣に数えても分からないくらい時が経って


年々その場に供えられる物も減って無くなって


人は時間と共に忘れてく生き物だ


少しずつ薄れていって

かすれていって

最後には記憶ごと消えていく

まるで初めから存在しなかった事の様に


それじゃあんまりだ

消させない
決して

例え皆が忘れ去ったとしても俺が忘れない

たった一人でも覚えていれば生き続けられる

生き続ければいい

永遠に俺の記憶の中で



今日はあんたが主役だ




改めてだけど

これからもよろしく



なあ?アイツは元気にしてるかい?あっちでさあ、あんたとまた仲良くやってるかい?



それとタバコ好きなあんたはさ、あの世でまだこんな強いタバコ吸ってんのか?怒られっぞまたアイツに



俺はさあ、あんな好きだったタバコ辞めたんよ、成長したじゃろ?


あと俺は‥俺は‥


返事はないけどさあ、あんたに喋りたい事がたくさんあんだ




生きたいと願いながらも、無惨に死んでゆくものもいれば



死にたいと願い生きてるものもいる


もしも出来るなら


その持て余してる命を


あの人にわけてあげてくれないか?



神様は不公平だな


俺はお前が大嫌いだよ



R.I,P🚬