術後、日がたつにつれ、点滴や様々な挿入された管が母の体からはずされていきました。

相変わらず、食べ物はとれず、下痢ばかりし、痛みもとれずで体調は良くありませんでしたが、それでも家に帰れることが母の生きる気力につながっていたように思います。

笑顔もあり、声にも張りがありました。少しでも起きていようとする様子も見られました。

けれども、2月中旬に手術をした母は、 病理検査ですい臓癌のステージⅣと診断され、その後の母の落ち込みようは私たち家族が今まで見たことがないくらい激しいものでした。

楽しみにしていた退院にもそれほどうれしい表情を見せません。週末に私が実家に行っても、暗い顔をして寝ています。

父にもほとんど話をせず、一日だまって寝ているだけのようでした。もちろん起きて、何かする体力も母にはなかったのですが、笑顔が全く消えてしまったことに私たち家族がショックを受けました。

それまでの母は、何かというとすぐ笑う、本当に笑顔にあふれた明るい人だったからです。