ひだ(斐太/飛騨)の神社-桜ヶ岡八幡神社 高山市山口町 1


(この項は、飛騨神職会発行「飛騨の神社」を参考にしています。)

桜ヶ岡八幡神社

鎮座地  高山市山口町182番地
銀幣社 (旧社格 郷社)

1.祭神
    おうじん
主神 応神天皇
    いざなぎの
配祀 伊邪那岐命
   いざなみの
   伊邪那美命
   くくりひめの
   菊理姫命
   にんとく
   仁徳天皇
             くすのきまさしげ
境外末社(御旅所祠) 楠正茂公  

2.由緒
社伝によると、寛治元年(西暦1087)相州より密宗の僧当地に来り、郷里の平塚八幡を
勧請奉祀して、自ら別当の任に当たったのが、その創始といわれる。

末裔了善は当地了心寺の開基である。

創始以後当神社は、山口八幡宮として国司姉小路卿・鍋山城主三木氏・高山城主金森氏、
幕府直轄となってからは代官・郡代の崇敬が厚かった。

戸田釆女正の元禄検地では境内除地四反九畝二歩と天保十年には本殿造営の記録がある。

維新後、明治九年には村社に列せられ、同十七年全飛騨の奉加により、社殿を再建し、
同四十年には神饌幣帛料供進神社となり、翌年には神社会計規定適用神社に指定された。

次いで大正十五年に社務所を、昭和二年には幣拝殿を新築、同三年には当地区若宮八幡・同白山両神社を合祀して、「桜ヶ岡八幡神社」と称することになった。

同十年には郷社に昇格し、翌十一年五月創建八百五十年を奉祝して、盛大に大祭を斎行した。

戦後銀幣社となる。

創建九百年に当る昭和六十一年には、例祭に先立つ四月二十八目、神社本庁・平塚八幡宮からの献幣使を迎えて式年大祭を斎行した。

なお神域及び御旅所山は桜ヶ岡の名にふさわしく、老樹枝を交えて桜樹多く、古くより
「花の山口」として知られている。また、飛騨八所春の一つとして久々濃山と共に数えられ、
国司姉小路基綱郷の詠んだ次の歌が、御旅所山の「懐旧碑」に刻まれている。

  おく深く花を尋ぬる曙に
    山口しるく雲ぞかをれる

なお基綱卿は、姉小路古川家昌家の子で、基綱・済継・済俊と代々和歌をもって著われた
家柄である。

3.祭祀
 例祭  4月29日
 祈年祭 3月下旬
 新嘗祭 11月中旬

例祭は、大正年間まで二十五日であったが、同十四年以降昭和四十年代までに、
二十三日・二十一日・三日と変更したが、同四十八年現行に落ち付いた。

祭礼は午前の献幣祭に引き続き御神幸が行われる。また闘鶏楽は飛騨でも有数を
誇っている。

特殊神事としては、明治維新ころまで湯花祭があり、また筒粥の神事が戦前まで
行われていた。

4.建造物
 本殿 (春日造 5坪)
 幣拝殿 (春日造袖付 30坪、含神饌殿・神楽殿)
 神庫 (土蔵 7.5坪)
 鳥居 (稲荷造)
 石燈籠 (春日造 2対)
 社号碑・社務所 (34坪)
     


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