あらすじ

ファッションデザイナーとして名を馳せるクリスティーン(エヴァ・グリーン)は、夫のフェリックス(マーク・ストロング)と幼い娘のボブス(ビリー・ガズドン)とダブリン郊外で悠々自適に暮らしていた。ある日、仕事中にクリスティーンはダニに寄生された犬の幻影に襲われる。8ヶ月後、クリスティーンは筋肉の痙攣、記憶喪失や幻覚などを引き起こす原因不明の体調不良に悩まされていた。そんな彼女の前に、ダイアナと名乗るフィリピン人の乳母が現れる。彼女は雇った覚えのない乳母を最初は怪しむが、ダイアナは伝統的な民間療法を用いてクリスティーンの治療にあたり彼女の信頼を得ていく。やがてクリスティーンは民間療法にのめり込んでゆくが、それは一家を襲う想像を絶する悪夢の始まりだった――

  感想

『ビバリウム』のロルカン・フィネガン監督最新作。

ファッションデザイナーのクリスティーンが仕事中にダニに寄生された犬の幻影に襲われ、その後記憶障害や幻覚などを引き起こす状態が続いている。彼女の前にダイアナと名乗るフィリピン人の乳母が現れ、住み込みで働く中で、民間療法を用いてクリスティーンの治療を行っていく、その後の顛末を描くお話。

 

前作『ビバリウム』と比べて、前半から情報を見せていくし、民間療法だと思わせて実は‥みたいな裏切りも、フィリピンの過去回想も挟みつつ、しっかり映像で見せることで、真相に近づいていく流れも含めて、観る側への導きは分かり易く、観やすい作品だと思いました。

 

ただ終盤は、復讐の側面とある伝承を同時に完遂するためのラストまでの流れ、復讐が強すぎて、伝承はあれでよかったのか、少し消化しきれないものがありました。

 

フィリピンのローケーションがとても良かったので、ダイアナの過去の描写の影の部分をもう少し増やしていたら、伝承していく部分が強く印象に残る終わり方になっていたように感じました。

 

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