あらすじ 

第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。

 

感想 

「インセプション」「テネット」などのクリストファー・ノーラン監督最新作。

日本語字幕付きの本編を観る機会に恵まれたので、ほんの少しだけ感想残します。

 

原作未見のため、予備知識なしで観ると登場人物の人間関係が分かりにくい前半少し難しく感じましたが、中盤の原爆実験からその後戦後の問題まで続く物語の転換は見応えがあり、引き込まれる部分も多かったです。

矢面に立たされるオッペンハイマーとある陰の功労者との光と影の見せ方は、映画「アマデウス」のモーツァルトとサリエリの関係のようで、ドラマとして良かったですが、前半のとっつきにくさ、原爆のメカニズムとしての物理学(量子力学)の難しさもあり、多少の予備知識があったほうが観やすかったように感じました。

 

広島と長崎に原爆が投下された事実は映画内でも台詞として存在しますし、それを受けて戦後の問題にまで及ぶ物語は、単なる戦勝国の英雄映画にもなっていないので、日本でも早く一般公開されることを望みます。