◇あらすじ◇

イングランドからオオカミ退治の為にやってきたハンターを父に持つ少女ロビン。ある日、森で偶然友だちになったのは、人間とオオカミがひとつの体に共存し、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある “ウルフウォーカー”のメーヴだった。
メーヴは彼女の母がオオカミの姿で森を出ていったきり、戻らず心配でたまらないことをロビンにうちあける。母親のいない寂しさをよく知るロビンは、母親探しを手伝うことを約束する。翌日、森に行くことを禁じられ、父に連れていかれた調理場で、掃除の手伝いをしていたロビンは、メーヴの母らしきオオカミが檻に囚われていることを知る。
(公式サイトより引用)

 

◇感想◇

海外のアニメーションを観る機会は少ないのですが、周囲の評判の良さに遅ればせながら観てきました。

 

観終わった率直な感想は?

「アニメーションだからできる表現の豊かさに素直に感動。」です。

 

観る前はファミリー向けの度合いが強すぎたら楽しめないかもと心配でしたが、始まってみたら森の中は鉛筆画の自由で繊細なタッチと町の中の木版画の輪郭のしっかりした角張ったタッチとの使い分けがされていたり、メーヴやオオカミたちの動きの滑らかさや、画面分割を使った大胆な構図、上げれば数え切れないほど魅力的な表現に惹かれました。

 

それに呼応するように物語としても、ロビンとメーヴの交流を描きながら、プロテスタントの強硬なやり口の見せ方を通して、当時の政治的、宗教的背景も匂わせ、親子の絆を強く感じさせる後半部分まで、十分に大人の鑑賞に耐えうる上質な面白さがありました。

 

この作品はアニメーションチーム「カートゥーン・サルーン」におけるケルト三部作の完結編となる作品だそうですが、ケルト文化やアイルランドの文化の違いに対して、特段違和感を感じることなく、森やオオカミの存在を大事にしている程度の理解で、十分消化できる内容になっていて、素直に物語を受け入れることができました。

 

とにかく、今年観た作品の中ではトップクラス級に面白かったといえます。

 

 

大ヒットしている「鬼滅のなんとか」は、私は観ることはないですが、こういった良質な作品が同時期に公開されていることを知っておいてほしいと思います。

 

 

公式サイト

 

 

 

ケルト三部作の前二作は、以下の作品です。

まだ未見なので、こちらも観てみたいと思っています。