◇あらすじ◇

村の長老である老婆カルメリータの死をきっかけに故郷の村バクラウに戻ったテレサ。しかしその日から村では不可解なことが次々に起こり始める。突然、村はインターネットの地図上から姿を消し、上空には正体不明の飛行物体が現れる。村の生命線である給水車のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは村人が血まみれの死体で発見される。めったに現れないはずの他所者の来訪、それは血で血を洗う暴力と惨劇の幕開けだった。

(公式サイトより引用)

 

◇感想◇

毎月指標としている雑誌「映画秘宝」にて、特選作品として紹介されている映画を観てきました。

 

観終わった率直な感想は?

「面白くなるまで少々待たされるけれども」です。

 

後から考えると丁寧な前振りだったのですが、バクラウの村の状況を知らしめるまで結構な時間が取られます。(ただ、全く退屈する事なく興味深く観られます。)

 

ただ、あるきっかけから物語が動き始めると一気に面白くなってきます。

 

なぜ、このような事態が起きるのかとか、地図から消されているのかとか、他の町と断絶しているのかといった事を理解できるようになると、フィクションではありながら、ブラジルの小さな村の微細な部分まで浮き彫りになってきます。

 

終盤には過激な描写も多く、娯楽映画といえますが、一方で村社会の強さのようなものやブラジルの文化のバランス感みたいなものなど、社会派の側面も垣間見せながら、複雑な思いを持ち帰る作品に仕上がっています。

 

終わってみると、善悪すら曖昧になる恐ろしさを含んでいて、薄ら怖い作品ともいえます。

 

 

このような視点の変わった面白い作品が、60人キャパのシアターでしか観られないのは大変もったいないと思いました。

 

この変な面白さは、色々な方に体感して欲しいと感じました。

 

 

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