ろう学校では、補聴器を付けた状態で、簡単な聴力検査をしてもらっています。

聴力検査と聞くと、耳にヘッドフォンを当てて音が聞こえたらボタンを押す、というイメージがあったのですが。

幼児にはそれは難しいということで、ひと月ほど前まで、息子は「振り向き」という形で測定していました。



測定室には、たくさんのおもちゃが置いてあって、楽しい雰囲気にしてあります。

こどもがその真ん中の椅子に座ると、左右どちらかから音が聞こえてきます。

はじめは小さく、だんだん大きくなっていきます。

そして、こどもが音に気がついてそちらを見ると、おもちゃが動き出すんです!

メリーゴーランドが回ったり、ミラーボールが光ったり、大人の私が見てもパッとうれしくなるような仕掛けでしたから、もちろん息子は喜んで取り組んでいました。



…でも、この検査方法の難点は、そこまで正確な結果が出ないこと。

片耳ずつの検査はできないこと。

そして、飽きてしまうこと汗

一回の検査の中で色々な高さの音を流すのですが、はじめは反応がよくても、後半になると興味を失って振り向かなくなってしまうんです。

息子も何度か検査を経験するうちにすっかり飽きてしまって、検査室に行くのもしぶしぶ、椅子に座るのもいやいや、音が鳴ってもおしゃべりしたり好きなおもちゃをじっと眺めたり。

まともに検査できなくなってしまいましたチーン



そこで、前々回くらいから「ボタン押し」という検査方法にステップアップアップさせてもらいました。
(うちの学校では、保護者の希望というより、先生がそろそろできそうかな?と思ったら変更してくださるスタイルです。)

名前の通り、音が聞こえたらボタンを押すという検査なんですが、押している間はずっとおもちゃが動いたりモニターに映像が映ったりするんです。

これが、息子には大ウケ!!

なぜなら、新幹線が走ったり、新幹線の映像が見られるから。

他の選択肢もあるんですが、初めにいくつかお試しさせてもらったときに新幹線があることを知ってから、そればかりリクエストしています。笑

なんならもう、検査が楽しみで学校に行っているとも言えるかも笑い泣き

先日先生がご不在で検査がなかったときも、どうしても諦められなくて、検査室まで行って先生を探していたくらいです。笑



やる気満々で取り組んでいるので、検査結果もぐんと良くなりましたクラッカー

20dBのところに印が付くなんて初めて!

息子は裸耳(らじ)で50dBくらいの聴力なので、補聴器を付ければ倍くらい聴こえていることがわかりました右上矢印右上矢印

ちなみに、聴力50dBとは、50dBの音から聴こえ始めるということです。人が聞き取れる最小の音を0dBとしているので、健聴の人が10dBくらいから聴こえると考えると、意外とハンデがある…と想像していただけるんじゃないかと思いますあせる例えば、車の音も、かなり近くに来てからでないと気が付かないということなので怖いですよねガーン

20dB
→木の葉のすれ合う音、寝息

50dB
→クーラーの室外機や換気扇、静かな部屋での会話







と言っても、幼児の場合、きちんと検査できなくて悪い結果になりがちなので、聴力が良くなったというわけではありません上差し

検査のやり方を理解して、耳を澄ます力が付いてきたので、反応速度が上がった=本来の力に近い結果が出たというわけです。

(なので、重度難聴で障害者手帳をもらっていた赤ちゃんが、のちのち基準をクリアして手帳なしになる(あるいは等級が変わる)というのもよくある話みたいです。)

それにしても、こんなに聴こえていたなんてビックリ!

補聴器ってすごい。



同時に、私には疑問がひとつ。

「先生、こんなに聴こえるなら、どうしてもっと自分から補聴器を付けようとしないんでしょうか?あせる

そう、9月からの猛特訓の末、今では補聴器を付けるときに暴れたり泣いたりはしないものの、まだ一日中は付けてくれないんです。

勝手に外してしまうし、こちらから付けようとしなければ自分から欲しがることは無いし。

裸耳と補聴器ありとでこんなに聴こえ方が違うのに、どうして補聴器付けたいと思わないんだろう?

先生は、

「今はまだ言葉が少ないので、聴こえなくてもなんとかなってしまうんだと思います。」

「これからもっと言葉が増えてきたら、聴こえないことが不便だと感じるようになります。」

「そのうち自分から必要だと思うようになりますよ。」

とおっしゃっていました。



たしかに、今は主に私との簡単なやりとりしかしてないし、聞かせる声やテレビの音も大きくしてるし、家にいる時間も長いから、困ってないんだろうな。

補聴器なんてなくてもいいと思ってるんだったら、わずらわしいだけだよね。

私も近視でメガネがコンタクトが必要だけど、家では外してたいもんなぁ。



息子が補聴器を必要としてくれる日はいつなのか。

そう遠くはないんでしょうが…

幼稚部に通って、先生やお友達と話したり、みんなが補聴器を付けているのを見たりすれば、自然とできるようになる気がするから、早く4月になってほしい!!笑い泣き
(他力本願)