FaOI2023新潟

羽生結弦✕中島美嘉

『GLAMOROUS SKY』

 

そこに、NANAはいた。

 

あのかっこよくて、

誰もが憧れて、

それでいて真っ直ぐで、

自分に正直で。

だから、少し不器用。

 

要領がいいとか、

タイパがいいとか、

そんな生き方はできない、

いつも全力。

でもそれが、

とびきりかっこいい、NANA。

 

羽生結弦はNANAだ。

 

NANAはいつだって全力だった。

他の人から見たら

笑われるかもしれない。

他の誰かから見たら

気に入らないかもしれない。

 

それでもNANAは全力だった。

 

その全力は

思い通りじゃないかもしれないけど

二人は

夢を並べて、

夢を繋いで、

全力で青春を生きた。

虹はいつも、そこにいた。

 

羽生結弦はNANAだ。

フィギュアスケートと二人、

夢を並べて、

夢を繋いで、

羽生結弦とフィギュアスケート、

繰り返す日々を、二人歩いた。

あの虹を、二人歩いた。

 

羽生結弦はNANAだ。

 

履き潰したスケート靴は

いったいいくつあるの?

スケート靴と二人、

夢を並べて、

夢を繋いで、

足がどんなになったって、

あの虹を、二人歩いた。

 

だから羽生結弦は

『GLAMOROUS SKY』

全力で跳んだ。

サビの部分、

何度でも何度でも、

全力で跳び続けた。

 

長ったらしい

助走なんかいらない。

いまなんだ。

いま、跳ぶんだ。

何度だって、跳ぶ。

 

フィギュアスケートと二人

スケート靴と二人、

たくさんの人と二人、

羽生結弦がこれまで、

全力で跳び続けたように。

 

NANAがNANAと、

全力であの青春を、

朝までおしゃべりして、

朝までけんかして、

朝まで抱きしめあった、

あの青春の日々を、

笑う人がいたって、

NANAは全力で生きた。

 

NANAはNANAでしか、

生きられないから。

 

でも別れは必ず来る。

青春はいつか消える。

いつか一人で歩く時が来る。

 

それでも、

もうあの日々には帰れないけど、

NANAはNANAの夢を抱えて歩く。

 

羽生結弦は夢を抱えて歩く。

 

フィギュアスケートの未来を

照らすために。

 

それはとても不気味で、

とても厚い雲に覆われて、

黒く立ち込めているけれど、

あの日、全力で駆け抜けたNANAが

それを振り払い続けたように、

羽生結弦はこれからも振り払う。

雲を払って、未来を照らす。

 

だから羽生結弦は跳ぶ。

氷の飛沫、

汗の飛沫、

影の飛沫、

見えないけど、見える。

 

それは全力の証だから。

 

NANAはいつだって全力だ。

 

羽生結弦は全力だ。

 

だから翔び続ける。

たくさんの星を集め、

たくさんの夢を繋ぎ、

羽生結弦は、跳ぶ。

 

羽生結弦は、NANAだ。

そこに、NANAはいた。

 

日野百草

 

※※※※※※※※※※※※※※※

正直に、ずっと泣いていました。

『GLAMOROUS SKY』

ずっと泣いていました。

 

NANAの青春と、

羽生結弦の青春。

矢沢あい先生の

『NANA』は、

個人的にも思い出深い

作品でもあります。

思い出して勝手に泣けます。

 

サビで跳び続ける羽生結弦、

何度でも、何度でも跳ぶ。

本当に涙が出ました。

ずっと、泣いていました。

また、泣いています。

 

日野百草

 

 

 

※羽生結弦論、連載中