LaLaDX 11月号の巻頭を飾る田中メカの新作読み切りは、王道ともいえる生徒と教師の恋愛ものになっていた。


しかしそこは一ひねり。少女誌だというのに主人公はガールフレンドには不自由しない男子生徒を持ってきている。

それ以外のところではきちんと王道のパターンを踏襲してきている。ヒロインの女性教師の外見と実態とのギャップや、愛に目覚めた男子生徒の純情ぶりとか、典型的なものが目につく。


ただ惜しいのは、これだけ王道パターンを並べながら、押しがもう一つ弱いこと。

王道で攻めるからには、ここぞという攻めのポイントがあって、そこをうまく突いていくとものすごく気持ちよく決まる。なのに今回の読み切りはどうもただ並んで終わってしまった感覚が残ってしまう。


けっして悪くはない作品だ。だけどそれなりのキャリアを重ねてきている作家なのだから、読み手としてももう一段上のものを期待してみたくもなってしまう。