3月がしんど過ぎたので初めて東京競馬場いったよという話 | しゃい☆らり -日野出清 本人がやってるブログ-

3月がしんど過ぎたので初めて東京競馬場いったよという話

みなさん、新年度ですね!

春だよねー

まずは3月がめちゃくちゃしんどかったっていう話。完全にコロナの反動。居酒屋は送別会シーズンも重なって、毎日予約と来店が多数。売上に連動して帰宅時間も毎回深夜。24時閉店の店で。達成感もないし充実感もない。とにかく疲労感。今年40で、バイト歴20年、今の店でも13年くらい、そんなオッサンはもはや達成感や充実感はありませんよ。毎日生き抜くのが必死!

それも4月になってようやく落ち着きを見せて、まあ歓迎会やら新年度よろしくやら花見の二次会やらもう少し居酒屋需要あるだろうけど、とりあえず目処はついたかなと思い、ひとまずここで息抜きをしたいとなったわけです。

 

お外でリフレッシュしたい。

 

まずそれが大前提。家に一日こもるだけじゃただの休み。欲しいのは精神のリセット。普段と同じ環境ではちょっとなー、と考えていたらふと思いついた。そういえば、つい先日カミさんたちが行った競馬場が色々楽しかったと話してくれたなー、と。ただ、土日でないから入れない場所が多かった、と。

私はその日バイトがあったから同行しなかったんだけど、いつか行ってみたい場所で、みんながちょっと羨ましかったのですよ。

4月2日(日)は、大阪杯の開催日・・・

 

これは、今行くべきなのでは?

 

 

 

というわかけで、行ってきました、東京競馬場!

 

息子も中二日で来場。親子二人旅。

先日妻と息子、娘が行った日は平日だったため、競馬場内にはは入れなかったということですが、昨日は日曜日、競馬開催日なので入場可能!ただし、昨日の開催は中山競馬場と阪神競馬場なので、東京競馬場に馬はおらず、コース中央の巨大スクリーンで開催地の競馬中継を見れるだけ。あとは馬券が買えたり、キッズスペースで遊べたり、フードコートが使えたり。この状態の競馬場をパークウインズと言うそうで、レースを生で見ることはできないけど、入場無料だったり、予約席が自由に座れたり、芝生エリアもたくさんあって、レジャーシート広げで、ターフビジョン見ながらピクニックみたいに楽しんでる家族も多数。公園みたいな要素もあり、競馬に興味ない家族でも楽しめる、充実したレジャー施設となっております。

とにかく広い。終始、その広さに圧倒される。まず西門(武蔵野線、南武線から下車)から入場してすぐ現れる巨大スタンド席。その正面に広がる広大な競馬コース。コースの中央にはアスレチックやミニ新幹線が設置されてるキッズスペースが。

溜め息がでるくらい広大な敷地。

競馬場は馬が走り、オッサンたちが馬券散らすだけの場所と思ってたら大間違い。

外にはバラ園があり、乗馬体験や馬車にも乗れる。入場無料の博物館もある。子供が遊べる場所もある。今や競馬場は馬のテーマパークなのである。

今回はのんびりするのが目的なんで、特段やることもなく、言ってみれば着いた段階で目的は達成してるのであるが、せっかくなんで紙で馬券を買ってみた。普段スマホで馬券買ってるから、マークシートも初めて触るが、説明書きがあって助かった。馬券は難なく購入。

さて、では場内を回ろうか。

私はウマ娘から競馬に入ったので、競走馬のミーハーである。まずはウォッカ像を目指す。途中、無人のパドックを見つけた。思った以上に、パドックとギャラリーが近い!これレース日だったら相当間近で馬が見れる。いつか絶対に来よう。

 

ウォッカ像は思ったより小さかった。でもいいんだ。写真を撮りたかったんだから。観光なんだから。大きさは問題じゃない。

 

次に競馬博物館へ。これは年中無料。平日は空いてないこともある。

1分の1スケールの馬の模型が良かった。ばんえい競馬の馬がでけー!サラブレッドもかなりデカいけど、北斗の拳に出てくる黒王みたい。黒王は更にデカいわけだけどね。蹄が人間の上半身くらいあるからね。

じっさいの大きさのゲートや、ゲート内の馬の模型に跨って騎手の目線も体験。いやー、これ落ちたら大ごとだね。落馬、やばいよ。そして旗手になって旗が振れる!これはアツイ!

 

競馬の歴史も勉強できます。写真は禁止だけど、往年の名馬たちの模型や年表もあって、シンボリルドルフに一人コーフンしてました。カイチョー、マジかっこいい!メジロラモーヌの絵があったんだけど、溜め息出るくらい美しいの。ウマ娘のガチャ実装が楽しみだわ。

博物館は平日でもやってる日があるからオススメよ。んで、息子の希望でキッズスペースへ。

 

いや、おそれいったわ。

競馬場の敷地内とは思えない充実っぷり。ここだけでひとつレジャー施設として成り立つよ。名前わからんけど、ぼよんぼよんするバルーンでできた山もあるし、滑り台もたくさん。アスレチックも多数。芝のエリアではレジャーシート広げた家族もいっぱい。この場所が、普段馬が走るコースの真ん中にあるわけよ。時期が違えば、子供たちが遊んでる周りで馬が猛スピードで駆け回るわけだ。とんでもない公園だね。是非、開催日に来たい。

息子はここで一時間半くらい遊び回ってたが、本当に楽しそうだった。連れてきてあげて良かった。父として安らぐ時間だった。

 

さて、時は15時をすぎたころ。

いよいよメインイベントが近づく。

 

第67回 大阪杯

 

である。

中央競馬のレースで、春の中距離最強戦とも謳われる本レース。阪神競馬場で行われるので、ターフヴィジョンで観戦するわけなんだが、このレースに出る競走馬に、我が最推しのジャックドールが出場する。それはそれは待ち遠しかったレースなんですわ。

大阪杯の時期と、居酒屋の繁忙期の終わりが重なり、今日という日が発生したわけですね。

このジャックドールに対する想いを書くと、別の記事が出来上がるくらいの物量になるので割愛しましが、全競走馬で一番好きな馬がこのジャックドール。阪神競馬場まで行けないのが残念ですが、せめて初のGⅠ制覇を特別な場所で応援したかった。

パドックの映像、地下道の雰囲気から本馬場入場、返し馬、どれをとっても万全の状態なのがわかるジャックドール。加えて鞍上は武豊。これ以上ないコンディション。今日こそはという期待と、過去二度GⅠでの敗北からくる不安が交互にやってきます。

気づけば徐々に、スタンド席に着席する人が増えてきた。まばらはまばらだけど、一時間前に比べれば明らかに増えてる。

みな考えは一緒。

己が信じる駿馬の勝利を見るために、今か今かとその時を待っている。

ビジョンに、開始の合図を送る旗手の姿が映ると、それだけで拍手が起こる場内。応援する馬も理由も違えど、このレースを、競馬を楽しみにしてる人々の思いが一つになろうとしていました。

 

そしてファンファーレ。

 

場内全員が手拍子。これがやりたかった!

遠く宝塚市の阪神競馬場へ東京からエールを送る。

そしてついに、ゲートが開く!

ジャックドールは名手武豊の騎乗で完璧なスタート。ジャックドールは最初から最後まで先頭を走る『逃げ』を得意とする馬。最高のスタートでハナにたつと、先頭をキープしたままレースを運びます。

※この先の競馬の解説は私個人の偏見で構成してます。不十分な知識と経験で語りますのでガチ勢や先輩方は暖かい目で見守ってください♡

後続は無理に前に出ず、勝負所まで足をためている感じ。並みの馬なら最後の直線で抜かれてしまいます。早ければ4コーナーで追い抜かれてしまうでしょう。しかしジャックドールはただの逃げ馬ではない。

‟逃げて差す”

誰よりも早く直線に入り更に加速する。それがジャックドールの強さ。かつての名馬、サイレンススズカにその姿を重ねる人もいるほど。

今回は完全にその形。このまま行けば、最後の直線でジャックドールに追いつける馬はいない。

そう、並みのレースなら。

大阪杯はGⅠレース。日本競馬会最高峰のレースの一つ。

出場場全てが強豪馬。

その中でもひときわ相性の悪い馬が一頭。それがC.ルメールが駆る昨年の3歳二冠牝馬・スターズオンアース。

この馬の恐ろしさは、どんな場所からでも届いてしまいそうな驚異的な差し脚。牝馬三冠がかかった昨年の秋華賞、スターズオンアースはゲートで出遅れて後位でスタート。更には4コーナーで馬郡に前をふさがれて万事休すという場面で、その馬郡の間をかき分け最後位から一気に3着まで押し上げた実績がある。

https://www.youtube.com/watch?v=QlEW_HmCig0

私自身も、その光景は忘れられず、勝った勝負よりも印象に残っている。

ジャックドールの走りを押さえる馬がいるとしたらこのスターズオンアースだろうと予想していた。そのスターズオンアース、実はパドックで少し暴れていたのだ。首を振り脚もバタついている。ルメールを乗せて地下道を通るうちも落ち着きがない。馬の精神面はそのまま調子や走りに影響するから、これはしめたと思っていた。

しかしそこはさすが昨年の最優秀3歳牝馬、そしてクリストフ・ルメール。本馬場入場、返し馬で見せた走りに乱れはなく、最強牝馬の風格。やはり鬼門はこの馬なのか。

そんなことを考えていたかどうかは覚えていないが、とにかく先頭をキープし続けるジャックドールの姿だけを凝視していた。

 

勝ってくれ!そのまま行ってくれ!お前の勝つところが見たいんだ!

 

競馬において、競走馬において、馬自身の意思とはいかほどのものなのだろうか。競走馬になるために生まれて、強く走るため、速く走るためだけに育てられ、長くて10年程度の現役生活でその総てを評価され、あるものは種牡馬として子孫を残し、あるものは乗馬競技に転向し、天寿を全うするものもいれば、その一方で・・・

いずれも決めるには我々人間だ。

馬の意思は決定力にならない。

そこに金銭を当時、ギャンブルとして我々はこれを楽しむ。勝てば大歓声、負ければ、馬券が外れれば罵声の嵐。

人間のエゴによって生まれ、運命決められて。

これはある意味、虐待なのではないだろうか、そうよぎることもある。

しかしそこには、馬に全身全霊で向き合い、その不条理な運命の中で最大限の幸福と命を手にしてほしいと願う人たちもたくさんいる。生産者、調教師、厩務員、オーナー、ジョッキー・・・まだまだ私の知らない役職のホースマンたちと、競走馬を愛する競馬ファンの想いが確かにある。

ならばその人たちの想いに応えるためにも、今のこのレースを最大限楽しまなければ、どの努力と、何よりも今その瞬間に走る馬たちに失礼だろう。

何より人間だけでは競馬はできない。

そこに走る気持ちのある馬がいて初めてレースは生まれる。

 

まさに人馬一体。

 

そしてその一体の中に、自分も今、いるのだ。

自宅では味わえなかった、レース開催場ではないにしろ、同じ競馬ファンが集まるこの場所でこそ味わえた興奮がピークを迎えようとしている。

 

ここからは後からレース映像を見返して感じた感想も含まれる。

第4コーナーを先頭で回ったジャックドールは大方の予想通り、直線更に加速し、後続の突き放しにかかる。が、すぐ後ろには香港Cでジャックドールよりも先にゴールしたダノンザキッド、更にはマテロウレオが追走している。他の人気上位馬が上がってこれない中、先行していた二頭がジャックドールに迫らんとする勢い。

しかしジャックドールに届くにはまだまだスピードが足りない。ダノンザキッドが距離を詰め切れない。

場内も声援があふれる。私も行け!叩け!と声を荒げる。

後続をものともしないジャックドール。ついにGⅠの制覇の夢が見えた・・・その瞬間だった。

やつだ。やはり奴がここで姿を現した。

 

スターズオンアースだ。

 

後方でレースを運んでいたこの馬は、第4コーナーを曲がって徐々に順位を上げると、残り200メートルで一気に加速。マテンロウレオ、ダノンザキッドを捉え遂にジャックドールを差しにいこうという体制。この時自分はダノンザキッドの方を見ていたので、ギリギリまでスターズオンアースに気づかなかった。気づいた頃にはスターズオンアースはジャックドールとほぼ重なっていたのだ。悲願の瞬間を目前に、ついに牙をむいた最強の敵。両者の競り合いが始まるのかと思われた瞬間、ゴール版を馬たちが駆け抜けた。

 

ゴール直前の大接戦。

判定は写真に。

 

しかし、私は先にガッツポーズと歓喜の声を上げていた。

先ほども言ったが、ゴール寸前まで私はスターズオンアースに気づいていなかった。そのゴール寸前に私はジャックドールの鼻先を見ていたからだ。ジャックドールの鼻先は確かに誰よりも早くゴールを割っていた。確信があった。

興奮して写真判定には気づかなかった。

レース直後、興奮冷めやらぬ場内で、勝者の行方を待つ。

そしてついに、

 

一着、9番。

 

ジャックドールの番号が掲示板の一着に表示された。

改めて大歓声が起こる。

同時に、他の馬を応援していたファンの落胆や、馬券を外した者たちの罵声や怒号も聞こえる。

このごった返す感情もまた、競馬の楽しさのひとつなんだろう。

 

ああ、来てよかった。

思い付きできた競馬場。

ちょっと散歩して、家にいるのと同じくらいの気持ちで、ただおっきい画面で競馬を観戦しようかなくらいの気持ちだったのに、想像以上の満足感と充実感を得ることができた。

 

一番良かったのが、キッズスペースで遊ぶ息子の元気な姿を、笑顔を見れたことだ。

コロナの影響で思いっきり遊ばせてあげることがなかなかできなかったし、春休みも私のスケジュールやら、まだ赤ん坊の妹のことやらでお出かけの予定が立てられなかったけど、思った以上にはしゃいでる息子の姿に感無量です。

もう色々ありまくって、人生で一番息抜きになった。

 

行ってよかった。連れて行ってよかった。

 

また来たいな。今度は家族みんなで行きたいな。

 

そして次はレースを生で見たい。

 

夢は果てしなく。

 

この時間をゆるしてくれた妻に感謝。

さて、今日からもまた頑張って生きていこうと思います!

 

みなさんもよい春を!

 

 

今日はそんな日記。