『断片に引き裂かれた』ものを描くのは小説だけじゃありません。むしろ、もはや人間には全体性を備えた体系的思想が不可能という認識から営まれた思想もあります
ジャック・デリダの脱構築はその代表的なもの。体系の内側にゆさぶりをかけ、常に非固定的な思索を誘うその手法は莫大な影響を現代思想に及ぼしました
この本はジャック・デリダ自体というより、脱構築の手法を手広く解説/実践した本
第一部で脱構築の基礎的説明があるけど、ソシュールとレヴィストロースを最低限少しは知らないと厳しいかな?思考のフロンティアシリーズだと中級者向けの部類でしょう
この本の魅力は第二部以降の脱構築の実践にあり。性別、ポスコロ、翻訳、手紙、死者をめぐる政治と、各テーマをデリダの脱構築の手法で扱い、短く高密度にまとめていて魅力的
性別とポスコロは特にスピヴァックの影響が強いな。後進国の風習を、近代の立場から野蛮と退ける立場は傲慢だ。しかしオリエンタリズム批判から開き直るだけでは実際にそれで苦しんできた人々(多くは女)の声は聴きとれない。どう歴史叙述をするかという方法論的な問題にまで踏み込みながら、断片でしかなかった被抑圧者たちの声を聴きとる。脱構築の方法と倫理両方がわかる名解説がいい
この本を読んでよくわかるのは、脱構築は論理をめぐるメタゲームというより倫理的営みであるということ。そして、脱構築の倫理のためには、いまだ聴かれぬ声を『聴く』という身ぶりが重要ってことです
推薦図書も基礎的なのがそろっているし、思考のフロンティアシリーズだと平均的だけど薄い中によく高密度にまとめたと感心する。詩人でもある守中高明の文章も張りつめた緊張に満ちていていい
ジャック・デリダの脱構築はその代表的なもの。体系の内側にゆさぶりをかけ、常に非固定的な思索を誘うその手法は莫大な影響を現代思想に及ぼしました
この本はジャック・デリダ自体というより、脱構築の手法を手広く解説/実践した本
第一部で脱構築の基礎的説明があるけど、ソシュールとレヴィストロースを最低限少しは知らないと厳しいかな?思考のフロンティアシリーズだと中級者向けの部類でしょう
この本の魅力は第二部以降の脱構築の実践にあり。性別、ポスコロ、翻訳、手紙、死者をめぐる政治と、各テーマをデリダの脱構築の手法で扱い、短く高密度にまとめていて魅力的
性別とポスコロは特にスピヴァックの影響が強いな。後進国の風習を、近代の立場から野蛮と退ける立場は傲慢だ。しかしオリエンタリズム批判から開き直るだけでは実際にそれで苦しんできた人々(多くは女)の声は聴きとれない。どう歴史叙述をするかという方法論的な問題にまで踏み込みながら、断片でしかなかった被抑圧者たちの声を聴きとる。脱構築の方法と倫理両方がわかる名解説がいい
この本を読んでよくわかるのは、脱構築は論理をめぐるメタゲームというより倫理的営みであるということ。そして、脱構築の倫理のためには、いまだ聴かれぬ声を『聴く』という身ぶりが重要ってことです
推薦図書も基礎的なのがそろっているし、思考のフロンティアシリーズだと平均的だけど薄い中によく高密度にまとめたと感心する。詩人でもある守中高明の文章も張りつめた緊張に満ちていていい