神戸で老舗のオリエンタルタクシーは東地区の灘と西地区の垂水に営業所を構え、今も盛業中だ。

 私が子供の頃は、所謂普通のタクシー会社で車も当時のタクシー標準グレードのスタンダード系が多かったと記憶する。しかし、近年東京のロイヤルリムジン系になってからは、私の趣味嗜好的になかなか面白い現象が起きている。最初に界隈で話題になったのは「ピンクのクラウン」である。

 ピンクのクラウンと言えば「リボーン」の合言葉と共に登場した210系で、当時自家用車でもなかなか見る機会が無かった。上は2013年末に地元ディーラー(現存せず)で展示されていた車。ショールームに展示されていた同車を見つけ、買いもしないのにお邪魔し、セールス氏に撮影許可を伺うと快諾して頂いた。しかしセールス氏曰く「折角写真を撮られている時になんですが、実はこのクルマ・・塗り替え車なんですよ・・外観は指定色に仕上げていますが、内装はベース車のままで・・まぁ客寄せパンダ的な・・」と苦笑い。私は「ピンククラウンが撮れたのでそれはそれでOKです。ただ、街で殆どみないですよね」と話したところ「(当時)兵庫県下で4台しか登録されていませんので見ないですよね」との返答であった。また県内で割り当て台数もあったらしく、レア車であったことは間違いない。ところが、である、実はその内の1台がなんと我が家の町内にいたことを後日偶然発見、驚いた物である。その後、繁華街で時を別にして2台見掛けているが、これら3台いずれもナンバー違いで結局4台中3台を目撃していたことになる。

 

 それから暫くしてオリエンタルタクシーがこのピンククラウンを導入したというニュースをHPで知ったが、これまたなかなか出会わない・・当初は垂水地区に配車されていたらしいが私は後に配置換えとなってからと思うが三宮付近で数回見掛けるようになり、漸く2016年末に撮影出来たのが下の写真。

 手前の草が一寸邪魔であるが、急に来ると撮影場所を選んでいる暇などありはしない。ナンバーが隠れなかったのでまぁヨシである。その後、何度か見掛けたが撮影出来たのは他に1~2回でその内見なくなったので退役したのでは無いだろうか・・。

 その後実車のクラウン210系では続いてメタリックブルーとグリーンに塗装されたものが市販、オリエンタルタクシーではこれらも導入したが、レア車には変わりないのでなかなかお目に掛かることが出来なかった。

 これは昨年夏に漸く撮れた個体。しかし今度も急に登場で慌ててカメラを向けたのでブレブレである・・。この時点でグリーンの存在は知っていたが撮影までは出来ていなかった。

 これはつい最近漸く(←このフレーズばっかり・・笑)遭遇出来たグリーンバージョン。上のブルーと1番違いで恐らく同期導入と思われる。なお、最近になってオリエンタルタクシーは自社や系列社の車体にUberのラッピングを施工するようになり、この210にも・・。

 こうして取り敢えず、何台あるかは分からないながら知っているカラーバリエーションを抑えることが出来たのだが、パトカーでは交通系でアスリートはよく見掛けるが、タクシーとなると個人でもなかなか出会う機会無く(首都圏は別として)、法人ではアスリートでなくとも210系はレアであろう。

 

 さて、このオリエンタルタクシーはロイヤルリムジン系になってから、東京からやって来たと思われる移籍車も多数で見ていて飽きない。

 この2台、少し前の登録で一見新車のJAPAN-TAXIに見えるが、再登録移籍車である。JPNはマイナーチェンジしても外観はほぼ変わらず、私も最近まで区別出来なかったが、初期と最新のカタログを見比べていて漸く気が付いたのだが、前ドアにある「ハイブリッド」のエンブレムがあるのは初期系の模様。それが分かってから、街で見ていると神戸ナンバーのタクシーの場合「神戸500い23-00」番台前後で前期系と現行型が切り替わっていたと記憶するが上の2台は29-00番台ながらエンブレム付きなので再登録が分かる。また・・

 これも29-00番台ながらJPNにモデルチェンジされるまでのTSS10系クラウンセダン。2024年6月現在「神戸500い」は32-00番台後半であるが、未だにオリエンタルに限らず各社クラウンセダンの移籍車がよく見られ、この番台付けた個体も多い。やはり、JPNは補助があっても高価らしく、程度の良いTSS10系クラウンセダン(極まれにTSS10系クラウンコンフォートも・・)が出回っている模様。さすがに同じクラウンセダンでもGXSやYXS系は移籍車で見掛けることはほぼないが、各社で経年のYXS10系はまだ走っているのを見掛ける。かつてはタクシー車両は4~5年で代替されていた物だが、(私はタクシー業界人ではないので、あくまでも街で走っている車両を見ていての、であるが)ここ10年ほどで寿命がかなり延びて10年選手も珍しくなくなっているのが神戸方面のタクシー車両の現状ともいえる・・。