昨年も5月に神戸市バスの話題として、毎年5月開催の神戸まつりの際に運行されていた「花バス」を挙げている。

 昨年は5回連載しているが、今年は5月に「世界パラ陸上」が神戸で開催されるために「まつり」は一か月前倒し開催となり、本日4月21日がメインパレードであったので本日にアップしてみた。パレードの方は生憎の雨天だったが、盛り上がっていたのだろうか・・?拝見出来ていないので一寸分からないが・・。

 昨年初回アップ時の拙ブログ(↑リンク先)では花バス登場時を局内誌「車窓」からの引用と、以降の数年分を掲載している。しかし私自身が小学生だったこともあり、取り敢えず当時撮影した写真からでブレた写真も多く、号車歯抜けや記録不足で詳細な愛称が不明な年もあった。

 ところが、最近古本屋から局内誌「車窓」を数年分纏まって入手することが出来た。私はこの冊子は昔から資料価値が高いと睨んでおり、長年見掛けるたびにコレクションとして入手してきたが、今回入手した中にはいずれも花バス各年の綺麗な記録がなされていたので、これ自体が資料価値が高いと睨んで今回アップした。とはいえ、写真まんま切り抜きの丸パクリは心情的にも対外的にもあまりよろしくない、と考えているので各写真は全て周囲を残して「引用」が分かるようにさせて頂いたのでご理解を頂きたい。

 なお、初代(第1回)花バスのカラーは拙ブログ「花バスその1(↑上記リンク)」をご参照頂きたい。

 

◇1977年度

表紙から花バスで中々な感じの号である。また毎年花バスの記録は開催後の直近号裏表紙でカラーで取り上げられており、愛称も併記されておりまことにありがたい。この年は「日本の昔はなし」シリーズ。

 

1号車:花咲爺さん号

 元客室部分いっぱいに植栽された桜の木が綺麗であるが、花束というか花びらの製作は大変であったであろう。

2号車:金太郎号

 まさかり担いだ・・である。この車はなんといっても運転台上の藁葺屋根の装飾が見事!

3号車:桃太郎号

 金太郎と来れば桃太郎を外すわけにいかない。鬼が島へ向かう船を模しており、元客室部分が船、車体には波が描かれている楽しい意匠。下は昨年のブログに掲載している写真の再掲だが私撮影の逆サイド。

4号車:さるかに合戦号

 この車も運転台上の装飾がお見事である。童話を分かりやすく一部分を切り取って表現するのも難しいと思うが、一目でそれと分かるように造り込んである。

5号車:浦島太郎号

 太郎シリーズ残りは浦島太郎。竜宮城・乙姫・亀に乗る浦島太郎がバランスよく配置、海の底をイメージしたブルーの車体が装飾部分とよいコントラストを描いている。

 

◇1978年度

 花バスの乗っている号の表紙はまだ開業して間もない地下鉄の工場整備の様子。個人的には既に過去の車両となったが、活躍期間も長く馴染みのあるこの1000系(形)が一番お気に入りである。

1号車:新巨人の星号

 この年度の花バスの写真、私が撮影していたもの(下写真)はアングル的に全然だったので、各車の愛称が今一つ不明であったが今回冊子入手で解明出来た。「巨人の星」もそういえばリメイク?された「新」が放映されていたことを思い出した・・。内容まではさすがに覚えていないが・・。

2号車:ラ・セーヌの星号

 当時撮影した車の中では個人的にこの2号車が一番好きであった。車体の意匠がカラフルだったからであるが、テーマの「ラ・セーヌの星」自体も再放送でよく見ていたので馴染みがあった。下写真は私撮影分でこのアングルではテーマが全く分からない・・。

3号車:日本昔はなし号

 前年度の昔はなしとはまた違う意味の号車でアニメでヒットした「日本昔はなし」号となる。'77年度分含めも私が写した写真はあるが、それらはリンクの拙ブログを・・。(笑)

4号車:スタージンガー号

 この年はアニメがテーマであるが、正直このアニメは記憶に無く、たまたま見ていなかっただけなのであろうか・・。放映局はプレートによると「8チャンネル」の関西テレビ(フジ系)なので、メジャーだとは思うのだが・・。

5号車:キャンディキャンディ号

 こちらも大ヒットしたアニメ(漫画)。男女問わず見ていた記憶がある。車体意匠に格子模様も取り入れられ、確かにそんなイメージであった。

 

◇1979年度

 同年度掲載号の表紙。

1号車:赤毛のアン号

 '79年と翌'80年度は物理的に出動出来なかった・・と見え、昔のネガでも写真が見当たらない・・。さて、アニメシリーズはお子様には好評なので、この後もコンスタントに続くが、反面「版権」の関係で人気作品でも使えない作品もそれなりにあったそうである。余談ながらこの年から正面のマークは来たる「神戸博、ポートピア'81」のシンボルマークになっている。

2号車:新巨人の星Ⅱ号

 再び巨人の星が登場・・。しかしⅡがあったとは・・。関西地方では「巨人軍」はご存知の通り常に「タイガース」のライバル球団との認識で、他にも「侍ジャイアンツ」など野球物は巨人軍が強かったが、当時の関西のお子様的にはどう映っていたのであろうか?個人的には世代もあるが「巨人の星」よりも「侍ジャイアンツ」の方が好きであった。

3号車:くじらのホセフィーナ号

 こちらのアニメも殆ど覚えがない・・ので語ることが出来ない。ご容赦頂きたい。

4号車:ザ・ウルトラマン号

 ウルトマン・・世代的に円谷プロの実写版で育っているので確かにウルトラマンではあるが、少々馴染めないアニメである。ゆえに見た覚えがないのでこちらもご容赦頂きたい。

5号車:シートン動物記・りすのバナー号

 シートン動物記といえば、学校図書館ではお馴染みであったが、どれくらいの副題の種類があったのであろうか?私は全て「シートン動物記」で一括りしてしまっていた・・。

 

◇1980年度

 同年度掲載号の表紙。ポートピアを翌年に控え、導入が公営初であったご自慢のネオプランが登場している。このクルマの蘊蓄はまた別の機会に譲るとしたい。

1号車:パンダ号

 アニメが複数年続いていたからか、この年は本来のお子様向け?テーマとなって「動物シリーズ」この頃、神戸の王子動物園にはまだパンダはおらず、パンダと言えば専ら上野動物園の専売特許みたいなイメージであった。とはいえ、人気も全国区であったのは誰も異論を挟まないであろう。

2号車:いるか号

 海を飛び跳ねるイメージで意匠されたいるか号。いまでこそ「イルカショー」はポピュラーであるが、当時私の近隣の動植物園ではそういった催しがなかったため、イルカのイメージはアニメ「海のトリトン」である。

3号車:こじか号

 こじか、所謂バンビになろうか。アングル的に少々分かりにくいが大地を飛び跳ねるこじかがデザインされているようだ。

4号車:うさぎ号

 うさぎもお子様には大人気の小動物。少々脱線するが「うさぎ」といえば少し前なら「ノバうさぎ」今なら「ちいかわ」の自由奔放で定評の「うさぎ」が連想されてしまう。花バスのうさぎは巨大なうさぎが客室部分からこんにちは!と笑顔を振りまいている。

5号車:くじゃく号

 「くじゃく」はなんといっても羽を広げたその姿が美しい。花バスの意匠もそのイメージをふんだんに取り入れ、カラフルに纏められている。なお、くじゃく号は過去にも存在しており、テーマ的には二代目となる。

 

 さて、1977年度~1980年度までほぼ引用であるが、ざっくりご紹介出来た。

 これで拙ブログの初回と下リンクの「その2」の間が綺麗に繋がったのが個人的には嬉しい。

 この先が気になった方は下のリンク及び、花バスシリーズ「その3」以降も併せてご訪問頂ければ幸いである。(笑)

 

※参考文献:神戸市交通局「車窓」花バス記事掲載各号