つい先頃発売になったトミーテック鉄コレシリーズの神戸市電1150形は予告段階から気になる車両であった。私が趣味として楽しんでいる鉄道模型は現在16番メインであるのは既に何度か述べてきたとおりで、それは今も変わらない。しかしこうして時折、超地元車両がラインナップされるとNゲージでも購入に至ってしまう(笑)。

 ゆえに同じ神戸市営の地下鉄や北神急行(当時)の鉄コレも漏れなくコレクションに加わっている。今回も単車なのにという価格帯に少々躊躇っていたが、ありがたいことに地元の家電量販店は阪神タイガースのスポンサーでもあり、この度「日本一セール」を敢行、模型は10%オフということでその恩恵にあやかり、ありがたく購入した。

 

 車両は神戸市電最後の形式1150形から1156号がチョイスされている。最晩年の「ワンマン」仕様で窓下の帯鋼材部分に黄色帯が巻かれた姿だ。私は年齢的に市電は見ているのであるが、居住地域の関係で普段接することが無かったので残念ながら記憶は無い・・但し、親はお出かけの際に乗せた・・と言っているので物心がつく前の話だったのであろう。さてこの1150形、市電としての高性能車を模索していた時代に生まれた形式であったが、試験の域を出なかったようで、1151・52の2両が先に登場、後に1153~58が登場しているが、新機軸だけに故障が多く日中は寝ていることが多かったとのことで、結局制御方式を従来通りの直接制御に戻し、台車も中古に履き替え、漸く市内を走り回ることが出来るようになった由。

 晩年は1155号を除き、ワンマン化され廃止後はそのまま広島電鉄にお越し入れしている。

 

 上2枚は広電で活躍中の1151と1152号。撮影は1983年3月であるが、この頃に在籍していた元神戸市電の半分近くは企業の広告宣伝車で少々ガッカリしながらも何とか撮影はしている。なお、当時はラッピングではなく純粋に塗装変更車である。

 また神戸市オリジナルカラーを纏っていた車両も顔に警戒色としてヘッドライト部分に山吹色のひし形が入れられ、こちらも少々残念感はあった。

 上は旧広島市民球場前を行く1151号、下は広島駅前電停で発車を待つ1152号。殺虫剤のCM車ゆえ、車体に「G]の文字が読み取れる・・。

 これは神戸に残った1155号で東灘区の本山(もとやま)交通公園で保存展示されていた。上2枚は1983年8月の様子で、まだ比較的綺麗だが正面ヘッドライト部に掛けられた「のぼるな」の看板が残念であった(悪戯する人間がいたことによる看板設置だけでなく、オリジナルの姿が拝めない・・) 

 下3枚は2012年7月の同車。この間にあの「阪神淡路大震災」が発生しており、この交通公園も被災し、その後閉鎖され名を小寄公園と変えてはいるが、市電はそのままちゃんと保存されている。しかし、如何せん設置後、趣味活動人の方々のボランティアによる整備のみで朽ちていくばかりだった・・。そのため一時は解体撤去の話も上がっていたが、何とか持ち直し、今はもう少し綺麗になっているとか・・。兎に角、保存が大変なことはよく分かっているので、口を挟まずその行く末を静かに見守っているところである・・。

 さて広島にいた1155号、実は神戸ではラストの1158号で、この公園保存で抜かれた1155を埋めるために改番され(二代目)1155号になった個体であった。

 再び模型の話に戻ろう。今回店頭で購入した際には専用動力ユニットが品切れで市場在庫も品薄だと店員氏に聞いたので、帰宅後ネットで探すとこの家電量販店のWebショップでは在庫ありだった。すぐさまポチリとし、本日届いたもので早速動力化した。試運転はまだだが折角写真を撮るのであれば・・とこのツーショットをセッティングしてみた。

 神戸市電と並べておかしくない神戸市バスのバスコレは現状この事業者限定バージョンの日野RE100形だけである。年代は合っているのだが、バスの色合いがおかしくこの時代は拙ブログのタイトルである「ローングリーン」であり黒に近い深緑が正である。モデルは深緑を意識しつつも、かなり緑が勝った色合いで更新後のライトグリーンに見えなくもない塗装が残念なのである。車両は798号、昭和44年式でオーバルライト車。神戸市バスに於ける日野のオーバルライト車は昭和46年式(前期)までであるが、後年玉津車庫配属の車はシールド4灯に改造されている。これは当時、玉津管内は街燈のない田舎道が多く、市街地(松原車庫配属車の働くエリア)のように街燈で照らされた街ではなく、明るくなかったので、このライトの悪評定番であった「暗い」が見事に当てはまり、運行に支障が出ることから改造されたものと推測している。

 さて市電の方、もう1台入手出来れば、黄帯を外してツーマンカー仕様も楽しみたい・・と思っている。