まだ独身の頃、職場の同僚と結構あちらこちらに旅行をしていた。純粋な観光旅行であるが、私は趣味を昔から大体的にカミングアウトしていたので、途中に私の興味分野の物に遭遇すると皆「快く」一時停止や寄り道にお付き合い頂けた。余談だが、私が社会人になったン十年前、乗り物や模型趣味に対して偏見強く周りでも趣味を隠して活動している人が多かった。それに対し、私は隠すこと自体が嫌だったので、早くからカミングアウト(そもそも趣味なので隠す必要なくカミングアウトする・・ということ自体違う気がするが、当時はそんな風潮でやりにくかったのは事実)していたこともあり、特に仲が良くない人間たちから当初は偏見や言葉は悪いがアホ扱いされながらも「あなたがご自身の趣味と公言しているギャンブルとお金の使い道や方向性が違うだけで趣味としてはなんら変わりありません」とこちらも公言し続けていたおかげ?でその内何も言われなくなった。

 仲が良かった人たちからは前述の通り、協力的で気持ちよく「ほんなら一寸趣味活動させてな」と出来たものである。

 こういった時代を過ごしてきたので、今は本当に良い時代になったと思う反面、ネット環境やカメラ付き携帯電話の国民的大普及と共に、所謂心無い人間の乗り物趣味に対する迷惑行為で再びバッドなイメージがついてしまい、残念である。

 

 余談が長くなったが今回の話題もそんなお話の中の一つで1993(H5)年4月に同僚数人と四国をレンタカーで回った際の拾い物。近年は訪れていないので事情が変わっているであろうが、四国は当時マニア仲間の間では「バス廃車体の宝庫」と言われ、あちこちに廃車体が点在していた。この時も国道や旧道沿いに何点か発見、都度都度一時停車で記録させてもらったが今回の個体はその中で一番興味を惹いた車。

 現存不明なので、現存していた場合に備え申し訳ないがこちらのブログでは詳しい場所を控えさせていただくが、往路整備された道路界隈では何も発見出来ず、復路敢えて旧道を走行した際に現れた代物。

 その塗装と場所から「高知県交通」というのはすぐに分かったが、顔が私の不得手である日産系・・、先の「西部警察」の記事でも「神戸は日産デのバスがほぼ無く、知識乏しい旨」を記載したが、この個体も日産系というのが分かる程度の知識しかないので、詳細不明ながら書籍などの二次情報として「日産U(若しくはUG)690系」と思われる個体。時代背景と中ドアのみ、ということで純粋なツーマンカー(本来の語源的にはツーメンとなるが・・)であろう。さすがに所有者を探して・・までの行動は時間的に取れなかったので、鎮座している詳しい経緯や車内に入れなかったが、破損していたドアから覗かせて頂いた車内には「高2い21-26」のプレートは確認出来た。

 旧道とはいえ、道路沿いだったことから恐らく有名物件だったと思われ、後のサルベージブームで何方が引き取ったかも知れない。場所も記録しているので再訪可能な案件だが、なかなかその機会も取れず、30年近く経っているので今も残っておれば凄いことだと思う・・。

 

 廃車体・・・私のような趣味を持つ人間において、それはバスに限らず何か色々なロマンを感じる代物である・・。